桜は
誰とその花を見上げたか
かならずその人と
対に思い出す

今年の桜を見ながら
去年はひとりで
その前は…その前は…と
記憶をたどる

うすあたたかな
あるいはうすさむい空気の中
目頭に涙が溜まる
桜を見上げたその先に
広がる空に
今は亡き人達の
笑顔が重なります

“ありがとね
私は元気でやってるよ
いつか私もそちらに
お邪魔したときはよろしくね”

ひっそりと
つぶやきます