【ラジオ放送(恵眞さんの声)】               

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・ラジオネーム

くりくりパーマ

・リクエスト曲
ひとりじめ契約

・アーティスト
WHITE JAM

・宛先番組
夕方やっぱり764(佐々木恵眞さん)11月11日(木)放送原稿

・コメントメッセージ 

エマさん。こんにちは!!毎週木曜日の生放送、楽しみに聴いてます。


本日も張り切って登場の”くりくりパーマ”です!


さて、本日は妹の初恋について投稿しちゃいますよ(笑)


それは妹が大学生3年生になった頃だったでしょうか。


その日は、母親が僕に突然、こう言ってきました。


●母親・・・。


『どうやら、私が行ってる美容室の店長とレナ(仮名)が付き合ってるみたいなのよ。大丈夫かしら。心配だわぁ〜。』


■僕・・・。


『なに〜?付き合ってるて?男性とお付き合いするのなら、やっぱり学校卒業してからでしょ〜よ。これ世間の常識ね!!』


●母親・・・。


『歳はいいのよ。でもあの店長35歳は過ぎているのよね〜。しかも、なんか調子良くてさ〜。レナを一緒に美容室に連れて行かなければよかったわ〜。でも〜。いつの間に・・・。』


■僕・・・。


『え〜。一緒に行ってる美容室の店長〜?大通りの銀行の前の美容室だよね?』


●母親・・・。


『そうなのよ。あの店長、美容室の2階に住んでるみたいなのよ。ほんと心配だわ〜。でもこの話しはお父さんには内緒よ。聞いたら絶対に反対するから。いや、反対なんてもんじゃ済まないわよ。だって、レナのこと相当可愛がってるでしょ〜。ほんと困ったわ〜。』


■僕・・・。


『わかったよ!でもヒカル(仮名)には言わないとな。俺は家にいないことも多いし、ヒカルだったら結構家にいるしさ。行動をチェックしてもらおう!』


●母親・・・。


『そうね。なにかあったら、ヒカルも、もう高校生だし、なんとかしてくれるはずよね。』


そんな感じで、ある日、突然、妹に初めての彼ができたことを僕は知ることになったのです。


それから半年が過ぎた頃でしょうか?


深夜に母親と妹からこんな話しを聞くことになってしまったのです。


妹の部屋に行くと妹は神妙な顔でうつむいてます。


●母親・・・。


『びっくりしないで聞いてほしいの。』


僕はその瞬間に頭の中によぎりました。


『これは、もしかしたら、もしかするな。もうしている?!まさか、妹が・・・。』


そして僕の頭の中で・・・。


あの昭和の名作『かぐや姫の妹』が流れ出しました。


 

                     

■僕は腹を決めて・・・。

『いや〜。そうか。そうか。まだ早いけど、なんとか育てられるよ。俺も子供だし、お父さんだって子供みたいなもんだ。みんなでさ。力を合わせれ立派に育てあげようではないか。男だったら、やっぱり野球選手かな。いや、これからの時代は公務員か?仙台市役所勤務ってのがいいいんじゃない?』

と思わず言ってしまったのです。

すると・・・。

▲妹・・・。

『何言ってるのよ〜!バカじゃないの?』

と頭を思いっきり、ぶっ叩かれました。

●母親・・・。

『不正解!そんなんじゃないわよ。私としたら、そっちのほうが歓迎だわ。』

『でも、そんな話しじゃないの。実はレナがプ○ミ○っていう高利貸しから借金しちゃって返せなくなって、督促状が届いたのよ。』

▲妹は泣きながら・・・。

『ごめんなさい。だってお店の調子が悪いうえに母親が病気で大きなお金がいるって言うから・・・。』

■僕・・・。

『で、貸したのか?』

▲妹・・・。

『絶対に返すって言うから・・・。』

■僕・・・。

『で、いくらだ?』

▲妹・・・。

『・・・・。』

●母親・・・。

『全部で50万。』

僕はそのときこう思ったのです。

『まだまだ世間知らずの妹を騙しやがって〜。これはダメだ!なんとかしなきゃ!よし。じっくり作戦を練ろう!きっちり、しめたるぞ〜!』

その日の夜は、争い事の嫌いな母親のへそくりでなんとか返済する方向で話が決まりました。

僕はとんでもない妹の秘密を知ってしまいました。

生まれつきなので仕方ないと思いますが「秘密」や「内緒」と言われると言われるほど喋りたくなる僕は・・・。

我慢ができなくなり、その日のうちに弟にペラペラと輪をかけて話してしまったのです。

翌日からはもう、僕と弟の悪いクセが始まってしまいました。

あの頃は一家団欒ゴールデンタイムというと必ず、食卓には嫌でもプロ野球、巨人戦が流れていました。

すると、バッターの後ろあたりにあの妹が借りている高利貸しの「プ○ミ○」という看板が見事にブラウン管を通して映っているのです。

それを発見すると・・・。

弟がお父さんにバレないくらいの小さな声で・・・。

『プ○ミ○!プ○ミ○!』

と連呼しだすのです。

僕もつられて・・・。

『プ○ミ○!プ○ミ○!』

とニヤニヤしながら連呼します。

時には・・・。

日本語に直訳して・・・。

『約束!約束!』

と。

すると、その声に気づいた妹はうつむきながら、しれっ〜と自分お部屋に戻っちゃうというルーティン地獄。

とっても愉快で、奥ゆかしい家族です。

今、思えば酷い兄妹だなぁ〜とは思ったということは言うまでもありません。

でも、しかし、やっぱり兄妹ですから、とても心配してた。

心配するのは当たり前です。

逆に心配しない家族なんて、この世の中に存在しているのでしょうか?

僕は冷静になり、色々考えました。

やっぱり、どう考えてもおかしいことばかりです。

あの美容室のバカ野郎は35歳にもなって、女子大生から50万円もの大金をなんで借りてるんだ?

美容室の経営は安定してるのではないのか?

しかも、高利貸しから借りさせて!

考えれば、考えるほと腹が立ってきました。

理解できないことばかりです。

妹が可哀そう過ぎる!

僕はあれこれ考えたあげく、こうすることに決めたのです。

妹があの美容室の2階にある、あのバカ店長のところへ行くのをつけよう!

そして、一気に踏み込み、まずは一発、ぶん殴る!

しかも、渾身の力で!!

そして、金の回収の話しだ!

どうせ、ギャンブルでもして返す金はないだろうよ!

念書を書かせてやる! 

絶対に回収してみせる!

こうなったらコテンパンだ!

そして、いよいよ作戦決行の日がやってきました。

僕は最寄りのジャスコで張り込み用の「アンパンと牛乳」を購入し、妹が出かける様子を伺ってると・・・。

弟がニヤニヤしながらこう言ってきました。

『兄ちゃんはわかりやすいな〜。これから踏み込むつもりだろ〜?俺も助太刀するよ。』

■僕・・・。

『なんでわかったんだ?まぁいいよ。とりあえず、俺ひとりで乗り込むよ。まだ高校生には荷が重すぎるからな。』

□弟・・・。

『アンパンと牛乳でわかったんだよ!!やっぱり、攻め込むときは、はちまきが必要だよ。はちまきに火のついたロウソクをつけてさ。おまけに包丁をはちまきに刺して行ったらウケるだろうな〜。っていうか腰抜かすよ。』

■僕・・・。

『だったら、警察官のコスプレで行ってさ〜。動かないで!警察です!あなたを緊急逮捕します!○時○分、妹をもてあそんだあげく借金までさせた罪で死刑とします!あなたは死刑〜!おそらく死刑〜!』

って言ったほうがいいよ〜。

なんて、言い合ってると、いよいよ妹がいそいそと外出しました。

僕と弟は緊張しながらもその妹を尾行したんです。

まるで「探偵物語の工藤俊作」のように。


そうなると、弟は「イレズミ者」だな。


すると、妹はやはり、あの憎き美容室へと向かって行ったのです。

自宅から歩くこと5分。

妹は美容室のバカ店長が住んでいる2階へとつづく階段をのぼり部屋に入りました。

僕と弟はその2階の煌々(こうこう)と輝く部屋をしばらく「ぼ〜っ」として見ていました。

今、思えば、部屋の輝きはお月様より眩しく輝いてました。

そして、我に返った僕は弟に・・・。

『よ〜し。そろそろ突撃するよ。2〜30分で蹴りをつけるから、帰ってもいいし。待っててもいいよ。あっ。アンパン食べないと。』

と言った瞬間。

妹とあのバカ店長がいる2階の部屋の電気が「パッ」と一瞬にして消えたのです。

部屋が真っ暗になってしまいました。

その様子を見ていた弟は・・・。

寂しそうな、そして、悲しそうな、か細い声で・・・。
 
□弟・・・。

『兄ちゃん。帰ろ。』

■僕・・・。

『うん。わかった。』

つづく

エマさん。こんな私についてどう思いますか?

と、いつもなら、終わるところですが・・・。

あれから時は流れ、妹は素晴らしい男性とめぐり逢い「独り占め契約」をし、更に2人の子供に恵まれ、幸せな人生となるのでした。


めでたし。めでたし・・・。