お世話になったロケ地の片付け、復旧。
お借りした製作備品の返却。
撮影が始まっても、制作部はすぐに終わる訳ではない。
朝からチェックアウトを済ませ、
撮影時と同じように、制作車(備品車)に乗って現場へ。
置かせていただいていた機材を撤去する照明部。
家具等の美術を撤収し、家の内装を元通りにする美術部。
各部署がスムーズに作業できるよう、ロケ地側との間に立って現場を管理する制作部。
今回は周りの方々にお世話になることが多かったので、挨拶回りも制作部の仕事。
メインとなる民家においては、順撮り(台本のシーン順に撮影していくこと)を基本とする撮影手法だったので、約10日間毎日、何かの撮影で生活スペースにお邪魔した。
(朝は6時前から、遅い時は23時頃まで)
ご厚意なくしては成し得ない現場だった。
毎晩撮影終了時には、全部署集まってのオールスタッフでの反省会が開かれた。
1つの目標に向かって、部署の垣根を超え協力し合う、素敵なチーム。
自身が元々熱苦しい上、泥臭いのが好きなので、
居心地が良かった。
まして日常の「美しいもの」を大切にする考えは、
作業としてこなす撮影でなく、
その場にいる全員で作り上げていく、
チームそのものが美しい芸術作品かのような現場だった。
第七芸術、総合芸術と呼ばれる「映画」に相応しい現場だった。
冷めかけていた心に、熱いものを滾らせてくれた。
奈良県に新しい家族ができた。