![](https://stat.ameba.jp/user_images/20210712/15/kurikurijazz/08/5d/j/o2048153614971028917.jpg?caw=800)
7月10日(土)、類家心平Duoがおこなわれた。
この2人が紡ぎだすジャズ、そこには独特の世界がある。
今回もそうだった。なぜ、他にはない彼らだけの独特の世界を創り上げることができるのだろうか、と考えてみた。
それは、《想像的》と《絵画的》というところに行き着いた。
《想像的》
トランペットそしてピアノの豊かな音色(おんしょく)は、目を瞑って聴いていると、非日常の世界に誘ってくれて、いろいろな情景や感情(哀しみ・喜び・怒り・希望・絶望・平安・不安・破壊・創造・緊張・弛緩、美と醜)などが次々と脳裏に走馬灯のごとく駆け巡る。
相反するものが共存しているから、そこには驚きと痙攣的な感動が・・・。
《絵画的》
ポール・デルボーの時が止まったような静謐感、
サルバドール・ダリのゆがみただれた時計のようなシュール感、
アンディー・ウォーホルの極彩色のポップなアート感、
ジャクソン・ポロックの摩訶不思議な出口の無いアブストラクト感、
そして、E・ムンクの苦しみを伴った叫びのゆがみ感、
そんな巨匠たちの絵画を目の前で見ている様な感覚、
この2人がいざなってくれるのは、そんな絵画的な世界なんだなあ、ぼくにとっては・・・。
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ぼくは、彼らを増尾駅に車で迎えに行った時、
「《UNDA》(類家さんのアルバム)の中でM・デイヴィス作曲の『Maiysya』を演奏してるでしょう?ぼくは、ロバート・グラスパーがその曲をボサノヴァ風にアレンジした『So Long 』が大好きなんです」
と、言った。
2ndステージの二曲目、うゎー、あのぎゅーっと胸を締め付けられる切ないメロディーが、トランペットの朝顔から流れてきた。M7系の美しくて切ないメロディーが涙を誘う。そのトランペットに寄り添うように優しくやさしく弱音でゆうったりピアノが入る。R・グラスパーのボサノヴァも良いが、この2人が織りなす夢のような極上バラッドもステキだなあ・・・。
でも、このduoはそれだけじゃあ終わらない!
そこから、テンポを速め、ダウントゥーアースな粘っこいブルースフィーリング満載の音楽へと変容していく。脳天に突き刺さるようなハイノートとピアノのお腹に響く低音が交差していく。それは、ジャクソン・ポロックの世界だ。
そして、再びあの切ないメロディーが・・・。
エンディングは、トランペットの徐々に消え入るような音で、なんと1分間ぐらいロングトーンが続いていく。まさに、夢の世界に誘ってくれているようだ。
アンコール曲は、D・エリントンの『In a sentimental Mood 』
ミュートを着け、埃っぽいニューオーリンズ・デルタのイメージを演出。その音はユーモラスであり、でも哀しみでもあり、それらがない混ぜになってこぼれ落ちていく。
ジャズの神様に感謝、感謝、感謝‼️
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中嶋錠ニさんのピアノも素晴らしい七変化の音色(おんしょく)を持っている。《ピアノは小さなシンフォニー》といわれるが、88の鍵盤の全てを使っているのではないだろうか・・・。
T・モンクのように粘っこい音を出したり、B・エバンスのような美しくとろけるような音を出す。
また、テンポをを自由に変え、一曲の中にも起承転結の物語をつくり上げる。類家心平さんは、そんなピアノの音をじっと聴き、身体を上下左右に振り、まるでダンスをしているようなのだ。
お二人とも一音一音に魂を込め、命を紡いでいくようだ。
きっと、2人とも三度の飯よりも音楽を奏でているときの方が好きなんだろうなあ、と思う。
今回も、お客さんは大満足だ❗️
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いつものように、ミュジシャンと一緒に記念撮影、パチリ!
毎回新たな感動をもたらしてくれるこのお二人に、次回のオファーをした。
「もちろんOKですよ」ということで、次回は10月17日(第三日曜日)に決定した。
またまた、よろしくお願いします‼️