ネフェル定休日の17日、新宿ピットイン(昼の部)に行った。
そこには、エナジーに満ち溢れたニューホープ達が金銭を度外視して(ホント?)がむしゃらに真摯に音楽に対峙ている姿があり、これからの日本のジャズの頼もしさを彼らに感じるのだ。
『松原慎之介クァルテット』
メンバーは、
松原慎之介 アルトサックス
加藤一平 ギター
高橋陸 ウッドベース
石若駿 ドラムス
リーダーの松原慎之介さんは、オーネットコールマン系のフリーキーな、そしてモンク・フレーズをアルトに移し替えたようで、難解なパズルを解くようなトリッキーなサウンドが素晴らしいなあ、と思った。
ベースの高橋陸さんは、一番若いようだがベース音はしっかりしていて彼らの音楽の根底をしっかり支えている・・・。
そして、加藤一平さんの炸裂ギター・・・。
ぼくは、彼のギターサウンドにジャズギターの可能性というか、まだまだ捨てたもんじゃアないなあという、未来を感じるのだ。
ぼくは17歳・18歳くらいの時は、ロック少年だった。
ジミ・ヘンドリックス、アルヴィン・リーやMC5のギタリストの脳天を突き破るような尖がった爆音に痺れまくっていた。
三度の飯よりも、彼らのギュイ~ン・メリメリ・バリッバリッというすべてのものを壊してしまいそうな勢いの、破壊音・炸裂音・金属的な擦過音が好きだった。(暴力的でちょっと危険なんだけど・・・)
加藤一平さんのギターには、そんなぼくをわくわくさせた《あの時のギターサウンド》が宝石箱をひっくり返したように零れ落ちるのだからたまらない、艶があり色があり、生命の発露というか、とにかくヴィヴィットなのだ。
ウェス・モンゴメリーもジム・ホールもケニー・バレルも、彼らのギター奏法からは新しいジャズの未來は見えない。
それはなぜか?
ぼくの大胆な仮説だが、ホーン楽器のように音をず~と伸ばすことができないからだ。
絃の音は数秒後には消えていくから、どうしても線が細く繊細過ぎてエナジーを感じさせないのだ。
それに比べたら、加藤一平さんのギターは、忙しなく足でエフェクター(?)を操作し、音をホーン楽器のように結構長く伸ばすことができる。
また、足の操作で音色を変えたりヴォコーダーのような効果を出すことができる。
幕張にレイディオヘッドのライブを観に行った時もあの時のギタリストは、足の操作で電気処理を加え、不思議な浮遊系サウンドを出していた。
それは、ビル・フリーゼルにも通ずることだが、アヴァンギャルド系またはノイズ系アンビヴァレンツ・ギタリスト達にしかジャズギターの未來を描くことができない。(全く個人的な考えですが・・・。)
とにかく、加藤一平さんのギターには、カラフルな色があり絵画的でイメージが広がるのだ・・・。
そして、石若駿さんのドラミング!
とにかく凄いの一言・・・。
音が半端なくでっかくて大きなうねりは洪水のようなのだから、痺れまくる。
《これからのジャズはドラマーが創る》ということを実感させてくれる。
そこに、即興演奏のスゴミを見た。
バスドラの皮に穴が開きそうなほど強烈に叩く。
バスドラの皮がブルンブルンと震えている。
額から汗が滲み出ている。
そんな彼らと演奏終了後、一緒に記念撮影、パチリ!
ぼくは、加藤一平さんと石若駿さんに《ネフェルライブ》を頼んだ。
「もちろんです」
と快諾してもらえて、嬉しくなりました。
今年の夏か秋ぐらいかなあ・・・。