全ては「おめでとう」から始まりました | 栗城史多オフィシャルブログ Powered by Ameba

全ては「おめでとう」から始まりました

新年あけましておめでとうございます。
皆さん、お正月はいかがお過ごしでしょうか?

僕は、年越し前に強風の八ヶ岳に向かい、
元旦には行きたいと思っていた山があったのですが、
天候の条件が悪かったので、トレーニングなどをして
三箇日を過ごしました。

昨年はたくさんの応援、本当にありがとうございました。
振り返れば、2012年の秋のエベレストで両手両足が
重度の凍傷になり、その後昨年、2014年は両手9本の指を
切断、そして復帰し、ブロードピーク(8,047m)への
単独・無酸素の登頂という、試練の年でありました。

しかしその試練をどうやって乗り越えられたのか、
それは、
父からの「おめでとう」の一言で全てが始まりました。

重度の凍傷になった僕は、退院直前まで父に連絡することが
できず、退院直前になって恐る恐る父に電話しました。
先が不安な自分。今回はさすがに怒られるだろうなと
思っていましたが、父は一言、大きな声で「おめでとう!!」
と言ってくれました。
驚いて「何が、おめでとうなの?」と聞くと、
「生きて帰ってきた事におめでとう、そしてもう一つは、
お前はその苦しみを背負ってまた山に向かう事ができる、
それは素敵な体験だからおめでとうなんだよ」と
言ってくれました。
確かに、苦しい事は沢山ありましたが、今振り返ってみると
その苦しみがあったからこそそれだけの学びや成長が
あったんだと思います。
そして、今年も大きな試練が待っていると思いますが、
登っていきたいと思っています。

もし、皆さんの近くで大きな試練にぶつかっている人がいたら
一言「おめでとう」と言ってあげてください。
試練を素敵な学びと成長に変えられるかもしれません。

2015年、今年も明るく元気に全てに感謝し、
“あの山”に向かっていきたいと思います。

あけましておめでとうございます。