悪天候のため、K2登山は中止します | 栗城史多オフィシャルブログ Powered by Ameba

悪天候のため、K2登山は中止します

皆さん、おはようございます。
今、僕は標高5,500mK2 アドバンスド・ベースキャンプにいます。

このアドバンスド・ベースキャンプに着いてから2日間、K26,500mから頂上にかけて、ずっと厚い雲で覆われていました。

この厚い雲が抜け次第に登る予定でしたが、今日の朝になっても雲は抜けず、昨日の夜に届いた週間天気予報でもこの雲は変わる事なく、また11日以降は天候がさらに悪化するということで、K2への登山は中止することにしました。

この厚い雲の中で向かっていくということは、周りが真っ白で、ホワイトアウトの中で登るという事になります。

7,0008,000mでホワイトアウトの中で行動するのは非常に危険で、このまま突っ込むのは懸命ではないと考え、また11日以降の天候回復を待ったとすると、栗城隊の帰国日も間に合わないので、ここで今回は遠征を終了すべきと考えました。

この2日間、K2を間近で眺め続けました。
厚い岩に風が当たり、雲が渦を巻いていく姿を見て、カラコルム山脈の神々が「もう店じまいだよ」と言っているように聞こえました。

確かにK2ベースキャンプの他の登山隊はすでに撤収していて、遺跡のようなベースキャンプ跡地だけが残っています。
シーズンは完全に終わってしまったようです。

ジェットストリームという強烈な風も来ていましたが、その中でも7-8日には回復の可能性があるという予報で喜んでいましたが、すでに天気の周期が変わっていました。

僕がブロードピークを登頂した724日あたりが、K2でも登頂日だったと思います。

K2はブロードピークと一緒に登山許可を申請して、ブロードピークを終えて全ての条件が整えば挑戦しようと計画していましたが、残念です。

それでも今回の遠征で、得る事がたくさんありました。

ブロードピークを登った後に、K2を登るための体力と気力を回復できたこと、高所順応が短い期間にうまくいったこと、何よりも9本の指を失っても全ての作業を自分できちんとできたこと、そして久しぶりの8,000m級の山を楽しむ事ができたこと。

本当に、全てに感謝です。

そして、多くの皆さんに支えられたことに、心から感謝しています。

今回の遠征で、またヒマラヤに復帰できるという確信が持てました。

山の先輩がよく、「家に帰るまでが登山」と言っていました。
まずはこれからベースキャンプに戻り、そして無事に日本に帰りたいと思います。

K2には、3年以内にまた来たいと思います。

皆さん、応援ありがとうございます!

※ブロードピーク(8,047m)登頂映像 http://goo.gl/JiiQ4M