前回に引き続き、2019年度のネイチャー18号目のハイライトより。
今回は、『発生生物学：腸オルガノイドにおける対称性の破れ』についてです。
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発生生物学：腸オルガノイドにおける対称性の破れ
Nature 569, 7754
2019年5月2日
腸オルガノイドは、単一の幹細胞からの器官の組織化を再現した最初の例で、腸の維持、再生、機能不全を研究するための重要なプラットフォームとなっている。P Liberaliたちは今回、単一細胞での画像化法と遺伝子発現解析を組み合わせて、腸オルガノイドの再生過程の特徴を明らかにしている。単一細胞が均一な環境で増殖して球状の構造を形成する際に、1つの細胞で一過的に起こるYAP1の活性化が、腸陰窩の再構築を可能にする対称性の破れ事象を起こすためのカギであり、これによって最初のパネート細胞の分化が開始することが分かった。この研究で示された画像化プラットフォームは、組織形成における他の自己組織化事象の解析を可能にすると考えられる。
ARTICLE p.66
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本論文は、日本語版本誌では「発生生物学：腸オルガノイドの発生における自己組織化と対称性の破れ」と題されています。
直訳しますと・・・
腸のオルガノイド発達における自己組織化と対称性の破れ
となり、Abstractを直訳しますと・・・
腸オルガノイドは、単一の腸幹細胞に由来する細胞集団の自己組織化能力を再現することにより、腸の細胞型組成と組織組織化を模倣する複雑な三次元構造です。このプロセスで重要なのは、対称球内の同一の細胞のごく一部のみがパネート細胞に分化し、幹細胞ニッチを生成し、陰窩や絨毛などの非対称構造につながる、最初の対称性を破るイベントです。ここでは、単一細胞の定量的ゲノムアプローチとイメージングアプローチを組み合わせて、単一細胞からの腸細胞小器官の発達を特徴づけます。それらの開発は、転写調節因子YAP1の一過性の活性化によって駆動される再生プロセスに従うことを示します。 YAP1の細胞間変動は、対称球体に出現し、NotchとDLL1のアクティブ化を開始し、対称性の破れイベントと最初のパネート細胞の形成を促進します。私たちの調査結果は、均一な成長促進環境にさらされた単一細胞が、複雑な多細胞非対称構造の形成をもたらす、創発的で自己組織化された行動を生成する固有の能力をどのように持っているかを明らかにします。
となります。
フルテキストは下記です。詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。
Full Text：ARTICLE p.66
Self-organization and symmetry breaking in intestinal organoid development
Data availabilityによりますと・・・
RNA-seqデータは、Gene Expression Omnibus（GEO）でアクセッションコードGSE115955（バルク）およびGSE115956（単一セル）で入手できます。
Code availabilityによりますと・・・
この研究で画像分析に使用されたコードは、MatlabとPython 3のLiberaliラボで開発されました。Python3では、科学計算と画像分析のための複数のオープンソースPythonライブラリが使用されました。オルガノイドの2Dおよび3Dセグメンテーション、特徴抽出、オルガノイドリンケージのコードは、https：//github.com/fmi-basel/glib-nature2018-materialsから入手できます。 scRNA-seq分析用のGriphアルゴリズムのR実装は、https：//github.com/ppapasaikas/GriphでRパッケージとして入手できます。
究極に溜まりに溜まりまくっているネイチャー。次回は、「免疫学：FATP2による多形核骨髄由来免疫抑制細胞の調節」を取り上げます。あまりに溜まりに溜まりまくっているので、今後は余裕がある時に取り上げるようにします。
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※政宗（いぬのきもち・ねこのきもちのデータベース）については、体調をみながら随時、最終更新日から取り上げています。癒し＆知識の増強にお役立てくださいませ。
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※現在耳の方は、膿を出す処方箋を服用し続けていますが、外と中の方に痛みと膿みが諸ろちょろ出ています。明日通院予定日なので明日耳鼻咽喉科へ通院しますのでまたブログ活動が停滞するかもしれませんが、お許しくださいませ<(_ _)>