惑星科学:火星にメタンは見つからなかった | Just One of Those Things

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前回に引き続き、2019年度のネイチャー17号目のハイライトより。
 

今回は、『惑星科学:火星にメタンは見つからなかった』についてです。

 

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惑星科学:火星にメタンは見つからなかった
Nature 568, 7753
2019年4月25日


火星でメタンが検出されたことから、地球化学的過程や生物的過程が火星におけるメタン生成を担っている可能性が示唆されてきた。火星では過渡的で局地的なメタン濃度の上昇と、大気中メタンの背景濃度の季節変動の検出が報告されているが、これらを、火星大気の化学と物理に関する現在の理解に基づいて予想されている均一なメタンの分布と容易に両立させることはできない。今回、ESAとロスコスモスによる「エクソマーズ」ミッションのトレース・ガス・オービターによる初期の観測結果から、両半球の広範囲の緯度にわたってメタンが検出されなかったことが示されている。著者たちは、メタンの上限値が、これまで報告されている検出結果よりも10分の1〜100分の1と低いことを報告している。彼らは、先の研究で報告されているメタン濃度と今回の発見を両立させるには、メタンを下層大気から速やかに除去できる未知の過程が必要であると示唆している。


LETTER p.517
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火星大気を分析するトレース・ガス・オービター(想像図)。
Credit: ESA/ATG medialab
 

 

本論文では、日本語版本誌では、「惑星科学:火星のメタンは、エクソマーズのトレース・ガス・オービターの初期観測では検出されなかった」と題されています。

 

直訳しますと・・・

 

ExoMars Trace GasOrbiterの初期の観測から火星でメタンが検出されなかった
 

となり、Abstractを直訳しますと・・・

 

火星でのメタンの検出は、地球化学的または生物的活動が今日の火星で持続する可能性があることを示していると解釈されています[1]。メタンの多くの異なる測定値は、一時的な局所的に上昇したメタン濃度とバックグラウンドのメタン濃度の季節変動の証拠を示しています[2,3,4,5]。ただし、これらの測定値は、火星の大気の化学と物理学に関する現在の理解と一致させるのは困難です[6,7]。これは、メタンの寿命が数世紀であることを考えると、メタンの均一でよく混合された分布を予測します[1,6,8]。ここでは、2018年4月から8月にかけてESA-Roscosmos ExoMars Trace Gas Orbiterに搭載されたACSおよびNOMAD機器を使用して、メタンを検出するための火星の大気の高感度測定を報告します。両方の半球で、メタンの上限は体積で約0.05パーツパービリオンになります。これは、以前に報告された陽性検出の10〜100分の1です[2,4]。現在の調査結果とゲイルクレーター[4]で見つかったバックグラウンドメタン濃度との調整には、メタンが地球規模に広がる前に、下層大気からメタンを迅速に除去または隔離できる未知のプロセスが必要になることをお勧めします。
 

となります。

 

フルテキストは下記です。詳細が必要な方はご購入をお願いいたします。

 

Full Text:LETTER p.517

No detection of methane on Mars from early ExoMars Trace Gas Orbiter observations

 

Data availabilityによりますと・・・

 

NOMADおよびACS機器によって生成され、現在の研究中に分析されたデータセットは、アクセス期間の6か月前に、次の6か月後に、ESA Planetary Science Archiveリポジトリ(https://archives.esac.esa.int/psa)で利用できるようになります。情報、データ、および知的財産に関するESA規則。図に使用されているデータは、対応する著者からの要求に応じて入手できます。
 

Code availabilityによりますと・・・

 

CH4の上限を解読するために使用されるコンピューターコードは、対応する著者からの要求に応じて入手できます。
 

Change historyによりますと・・・

 

2019年4月17日著者CathyQuantin-Natafの名前のつづりが間違っており、「Quantin-Nata」、著者EhouarnMillourとRolandYoungがACSおよびNOMADサイエンスチームリストに含まれていません。著者リストと所属リストに小さな変更が加えられています。付随する修正を参照してください。これらのエラーはオンラインで修正されています。
 

 

究極に溜まりに溜まりまくっているネイチャー。次回は、『惑星科学:火星大気への砂嵐の急速な影響』を取り上げます。

 

 

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