昨日、今日と冷たい雨が降り続いた。

家事が終わってから、ずっと音楽を聴いて

一日が終わる。


雨の日には音楽がよく似合う。

晴れの日より周りが静かなせいか、

自分の心持ちが静まっているからなのか、

集中できる。


今日はシューマンを聴いて過ごした。

音色の違う楽器と楽器の何ともいえない

調和。

楽器を思い通りに奏でることができたら、

幸せだろう。



私は5年ほどハープを習ったことがある。

初めてハープに触れた時、その響きが

体の奥深くまで入ってきて驚いた。


その響きが心地よくて夢中になった。

でも、私の夢中は長続きしない。

「こんなはずじゃなかった」が多い。


随分練習しているのに、イメージ通りに

弾けない苛立ち。

音楽を楽しむどころかストレスになる。

結局、投げ出してしまった。



以前、ラジオでアコーディオニストの

コバさんの話を聞いたことがある。

父親から初めて与えられた楽器がアコー

ディオンで、とてもがっかりしたと言う。


彼はギターを期待していたのだそうだ。

でも、すぐに大好きになった。

アコーディオンほど、体に密着する面積が

広い楽器はない。

音のすべてが体に入ってくる快感に、

心を奪われたという話だった。


音の響きが体に入ってくるのは心地よい。

ブラスバンドの演奏を聴くと、気持ちが

弾んでくるのはそのせいかと思う。



友人は子どもの頃からバイオリンを続けて

いる。

何が魅力なのか聞くと「ピアノのように音階

がはっきりしていなくて、一音がファジー」

なのだそうだ。


私は、楽器を楽しめる人がうらやましい。

でも、もう習いたいとは思わない。

素晴らしい演奏を聴くのが一番心満たされる。

今はそう思っている。



冷たい雨の中、お疲れさまです。

明日も一日、健やかにお過ごしくださいね。