輝きたいの
40年ほど前、日本の女子プロレスはかなり盛り上がっていた。当時はダンプ松本さんという超人気悪役レスラーがいて、最近、彼女をモデルにしたテレビドラマも作られたと聞いた。ダンプさんの役は、声が可愛いゆりやんレトリィバァさんが演じたということで、なんだかミスマッチ? という気もしたが、すごい熱演らしいので機会があったらぜひ見てみたい。40年前、ダンプさんが実際に悪役レスラーとして注目される少し前に、山田太一作のこんなドラマがテレビで放映された。このドラマはテレビで放映された40年前、私も確かに見た記憶がある。YouTubeのおかげで、再度全編(計四回)見られるなんて、夢みたいだ。こちらはモデルがなく、完全に創作ドラマだ。でもさすがに山田太一ドラマらしく、人間模様がつぶさに描かれた内容になっている。女子プロレスラーを目指して、入団試験を受ける若い女の子たちがテーマの作品だ。 主人公はつっぱりの三原じゅん子。元ヘビー級チャンピオンで今はコーチの和田アキ子に素質を見抜かれ、女子プロレスにスカウトされる。その他の新人選手も、それぞれの事情を抱えて入団している。婚約者を振り切って家族の反対を受けながらも入団する19歳(当時は誰だか知らなかったが、後に今井美樹として有名になる女優)、貧乏な家族を養うため給料のいいプロレスラーになろうという女子、また彼女らとは逆に、プロレスファンの家族や友人から絶大な応援を受けて入団した女子、そして私の記憶に一番残っているのは、入団試験に不合格になったにも拘わらず、選手のランニングにくっついて走り続け、早々に退団した選手の穴埋めとして中途入団を許される元いじめられっ子の女子。これらの登場人物と同年代だった私には、彼女らの体当たりの頑張りが心にダイレクトに響いたのである。あれから40年、当時は感じなかった三原じゅん子さんの演技の上手さに今更ながら驚いた。彼女は後に参議院議員となるなんて思っていなかっただろうな。思えば当時社会人の第一歩を踏み出した人たちは、今頃定年の年を迎えているのだ。月日が過ぎるのはあまりにも早い。果たして、自分が予想していたような、輝く人生になっただろうか?輝きたいの 炎のように(主題歌より)ってその気持ち、若さだねぇ!このドラマを見て、懐かしさのあまり泣けそう になった私。こんな昔のドラマが全編、海外にいながら見られるようになったなんて、インターネットはありがたいねぇ!(今日のスウェーデン写真)日本料理店ですきやきを食べたよ。外食は本当に高くなったわ。これでランチ2千円弱。