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独自の電子書籍リーダー「NOOK」にかけるバーンズ・アンド・ノーブルの挑戦
(キム・S・ナッシュ)


 米国最大の書店チェーンであるバーンズ・アンド・ノーブルが、同社オリジナルの電子書籍リーダー「NOOK」の購入検討者を誘い込むべく、データベース増強とビジネス・インテリジェンス(BI)強化に取り組んでいる。その最終的な目標はもちろん、打倒アマゾン「Kindle」である。


 アマゾンの「Kindle」とバーンズ・アンド・ノーブルの「NOOK」の対決は、現代のコーク対ペプシ戦争である。両社とも勝ちを譲る気はさらさらないようだ。いずれも自社の最新タブレット型電子書籍リーダーを、単に読書をするだけでなく、Webブラウジングや映画鑑賞、ゲーム遊びといったあらゆるエンターテインメントに適したデバイスだと売り込んでいる。

 2社のうち、より規模が大きく年商も高いアマゾンのほうが販売しているデバイスの価格が安い。一方のバーンズ・アンド・ノーブルは、アナリティクスに注力し、電子書籍リーダーの購入検討者を誘い込むことによってライバルの裏をかきたい腹だ。

 2年ほど前、バーンズ・アンド・ノーブルは十数個の独立した販売/営業/顧客情報データベースを利用していたという。「マネジャーらがこれを分析したいと思ったときは、ビジネス・インテリジェンス(BI)担当グループにリポートを提出してもらうよう依頼しなければならなかった」と、同社のリテンション/ロイヤリティ・マーケティング担当副社長、マーク・パリッシュ氏は当時の状況を振り返る。今日のバーンズ・アンド・ノーブルは、テラデータのサーバ上に容量約100TBのデータベースを構築し、どのような消費者がNOOKを買う可能性があるのかを、迅速かつ正確に予想できるようになっているという。

 しかし、シリコンバレーに本拠を置く調査会社エンダール・グループの主任アナリスト、ロブ・エンダール氏によれば、バーンズ・アンド・ノーブルのBI活用は正しい選択だが、それだけでは不十分だという。

 「自社の商品の購入を考えていない人々にはコストをかけていないことを、きちんと把握しておきたい。競合社より低い予算でやりくりせざるをえないなら、金は賢く使わなければならない」(エンダール氏)。


まずは生き残ること

 現在の電子書籍リーダー戦争は、年商70億ドルを稼ぐバーンズ・アンド・ノーブルが、多くのメディア企業と同じく未来を見通せなくなったところから始まった。書店チェーンの最大のライバルであった米国ボーダーズは2011年に破産申請している。同年5月には、年商110億ドルのメディア・コングロマリットである米国リバティ・メディアがバーンズ・アンド・ノーブルに10億ドルの買収話を持ちかけたものの、結局は申し出を撤回し、同社への2億400万ドルの投資という、よりリスクの低い経営判断を下した。バーンズ・アンド・ノーブルのCEOは、ハロウィンの直前に辞任している。

 同社の小売店での売上げは今も落ち続けているが、オンラインでの売上げは右肩上がりだ。後者には、NOOKとそのコンテンツの販売が大きく貢献している。バーンズ・アンド・ノーブルのWebサイト「BN.com」では、電子書籍と紙書籍の売上げ比率が3対1に及ぶ。

 同社の新たなデータベースでは、マネジャー自ら統計分析ツールを使ってリポートを作成することが可能だ。しかし何より意義深いのは、彼らが6,000万人を超える顧客に関する全社的なデータを参照し、消費者を新しい角度から見られるようになった点である。

 バーンズ・アンド・ノーブルのパリッシュ氏は、「NOOKの購入へ踏み切るきっかけは、顧客ごとに異なる」と指摘する。例えば、恋愛小説を購入する女性はNOOKユーザーになる可能性が高いという。本や雑誌のカバーを表にさらさずに済むからだ。また、NOOKを所持しているが使っていない8~12歳の女子の場合、バーンズ・アンド・ノーブルがティーンエイジャー向け小説のレビューやオススメ告知を発信すれば、彼女たちもNOOKを再度利用しようと思うかもしれない。効果が期待できないのは、人々にクーポンを配りまくることだ。

 「ユーザーには楽しいエクスペリエンスを提供したい。それができたなら、彼らはこれからもずっとNOOKを愛用してくれるだろう」(パリッシュ氏)。

 確かにそのとおりである。エンダール氏も次のように語った。

 「NOOKは、バーンズ・アンド・ノーブルが今後も企業として存続していくための生命線といって差し支えない。これをヒットさせられなければ、同社の命運は尽きたも同じだ」(エンダール氏)。