【朝コラ】マーケティングミックス戦略の検討 | (仮)アホを自覚し努力を続ける!

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レベニューマネジメント(RM)の展開
マーケティングミックス戦略の検討
(三菱総合研究所 先進ソリューションセンター 主任研究員 桑原永尚)


 これまで、レベニューマネジメント(以下、RM)について、その導入効果の測り方、企業組織における実践の要諦を解説してきました。今回はRMの前提となるマーケティング戦略レベルの考え方を明らかにし、より高い効果を創出するためのポイントをご紹介します。

 RMが効果を発揮するためには、効果的なマーケティングミックスが定義されていることが前提となります。マーケティングミックスとは、ターゲット市場から期待する反応を引き出すために、様々なマーケティング要素・施策を組み合わせることです。マーケティングミックスには、ターゲット顧客を想定してニーズを捉えた商品企画をする戦略レベルのものと、市場動向(需要動向)に対応して商品の売り方(販売数・価格など)を最適化する戦術レベルのものがあります。RMは戦術レベルに関わりますが、導入効果を大きく左右するのはその前段階の戦略レベルであり、RM導入の機会に練り直すことをお勧めしています。


■マーケティングミックスと検討手順

 マーケティングミックスは4P(Product、Price、Place、Promotion)と呼ばれるフレームワークで捉えることが一般的です。これらの各要素は、マーケットを構成する顧客の特性に基づいて、検討される必要があります。


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 まず、マーケティングミックスで最も重要なのは、自社の収益にインパクトのあるお客様(ターゲット顧客)を把握することです。このターゲットの把握が、RMの増収効果を決定づけます。どんなに付加価値の高い商品を提示しても、サービスよりも価格重視のお客様がマーケットの大半を占めていれば、相応の評価を得ることはできません。逆もまた然りです。

 次に、ターゲット顧客のニーズを捉えた売り物(商品・価格)を考えます。航空業界では、搭乗日直前に発生するビジネス客(ターゲット顧客)の需要を取り込めるように、価格を重視するレジャー客向けの「早割」という商品によって、予約タイミングを早めるよう誘導することで、両者のニーズに応えつつ、両者からの収益を効率的に取り込むことに成功しています。これは、顧客セグメントの特性をしっかりと理解し、その反応を予測した商品・価格の組み合わせを提示している、マーケティングミックスの好例です。


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 商品・価格が定義できたら、次にターゲット顧客を捉えやすい商品提示の方法(チャネル・プロモーション)を考えます。商品・価格によっては、特定の顧客のみに通知したいものや、広く告知したいものも存在するでしょう。つまり、チャネル・プロモーションは、商品・価格の特性を踏まえたマーケティングミックスとして、その使い方を考えることが基本となります。


■マーケティングミックスを強化するための組織・体制

 最後に、組織面について触れておきます。マーケティングミックスの策定業務は、高度なスキルと全社的な視点が求められます。したがって、前回ご紹介した、権限を一箇所に集中させた組織(販売統括組織)が行うことが理想的です。

 集中化する理由はもう1つあります。マーケットは絶えず変動し、お客様の行動も変化します。よって、景況、競合商品の台頭、相場感の変動、技術革新などの環境要因に常に目を配り、マーケティングミックスが陳腐化しないよう、維持しなければなりません。このような継続的な対応も、集中化組織として構えるからこそ、実現可能となるのです。