matukuribowのブログ -2ページ目

季節風

襟元くすぐる

やさしい風が

新たな季節を連れて来る

今年も一面咲くでしょう

都忘れの花々が

歌うように誘うように

あなたを忘れてしまいなさいと

やさしい風よ伝えておくれ

私のこころを香りとともに

忘れぬぬくもり運んでおくれ

見上げた山々頂に

まばらに光る残雪が

輝く冬を名残らせる

風よ

生まれたばかりの風よ

私のこころのぬくもりを

乗せてやさしい季節を告げよ



                  kuribow

扉のむこう

誰もいない世界の

誰もいない森で

何百年もたっていた

大木突然倒れても

誰もいない森の中

静まり返ったままだろう

音は声も

誰かに伝えるためにある

たとえそれらが

自分自身に向けたとしても

うたもことばも

青き扉のむこうにひろがる

宇宙に音はあるのだろうか



                 kuribow

朝(あした)の言葉

つかの間

まどろみたのしんで

夜が明けても

言葉は出ない

生まれたばかりの朝だから

なんの言葉も知らないだけさ

朝一番にさえずる鳥よ

おまえの言葉を教えておくれ

絶えず流れる窓辺の川よ

おまえの秘密を教えておくれ

ぼくらが言葉を覚えたら

ふたりで言の葉浮かべてみよう

いくつもいくつも浮かべてみよう

それらは流れ流されて

いつしか本を紡ぐだろう

やわらかな風が頁をめくってくれる

ぼくらの生命の物語



                 kuribow