ゾンビVS人類の大戦後の世界で、ゾンビ狩りアミューズメント施設のトラブルでゾンビが解き放たれてしまう惨劇を描くサバイバルホラー。

【STORY】

20億人が犠牲となった人類VSゾンビの大戦から7年。生き残ったゾンビを孤島に隔離してゾンビ狩りを楽しむアトラクション施設「リゾート」が人気を集めていた。先の大戦で父を亡くしたメラニーは、ゾンビ狩り療法がトラウマ克服に良いと聞き、パートナーのルイスと島を訪れる。しかし、何者かがセキュリティシステムにウィルスを感染させたため制御不能となり…。

【REVIEW】

ありそうでなかったのか、なさそうであったのか。

ゾンビ狩りを楽しむアミューズメント施設で、セキュリティシステムが制御不能になるという予定調和で大変なことになる作品である。

原題は「THE REZORT」。リゾートの「S」の部分が「Z」になっている。当然、アレの「Z」と解釈すべきであろう。

DVDのパケデザインを見るに、いかにもコメディ要素の高い作品かと思いきや、なかなかシリアスに作られた作品だった。設定こそジュラっているが。

クロモシンAと呼ばれるゾンビウイルスが世界中に蔓延し、人類は生き残りをかけてゾンビと全面戦争に突入。結果、20億人が犠牲となった。

その戦争から7年。人類は復興に向けて動き出していた。そんななか、ゾンビの残党を島に隔離し、ゾンビ狩りを楽しむアミューズメント施設「リゾート」が人気を集めていた。

アウトブレイク生存者のセラピーに参加しているメラニー。父を戦争で亡くしている。

戦争で負った心の傷は、ゾンビ狩りをすることで癒されるという胡散臭い話を聞き、恋人ルイスとともに「リゾート」へ向かうことに。

島はホテルも併設された高級リゾート地。金持ちの道楽である。

さっそくオリエンテーションが行われ、射撃訓練。そして、夜はパーティー。

このゾンビ施設の創業者であるヴァレリー・ウィルトンによる挨拶の最中、ハイテンションの参加者をよそに一人抜け出す女性セイディ。婚約者にドタキャンされたと言っているが何やら訳あり。

なぜかセキュリティカードを持っており、本部に侵入。端末のパスワードを解除し、何やらダウンロードしている。どうする気か？

場面変わって翌朝。いよいよ一行はゾンビ狩りに出発。2台のトラックに分かれゾンビエリアへ。

最初のポイントは崖の上。その下には大量のゾンビ。各々好き勝手に撃ち始める。ゾンビ戦争によるトラウマを抱えたメラニーは、なかなか引き金を引けない。そんななか、自前と思われるゴツイ銃で的確にゾンビを仕留めていく強者登場。こちらも訳ありの感じ。

そして今晩宿泊するキャンプ地へ。布勢のテントがいかにも心許ない。

ここで本部のセキュリティシステムがダウン。コンピュータウイルスに感染したようである。

島中に何組かいる参加者グループの1つが、セキュリティをかいくぐって抜け出したゾンビの襲撃を受ける。

安全エリアであったはずの出発地点のホテルも、パーティの出し物用に囲われていたゾンビの襲撃を受け壊滅状態。武器を持たない金持ちたちがおもしろいようにやられている。

ゾンビたちは本部にも侵入。スタッフたちを惨殺。創業者は1人だけ逃走して自室に籠もる。何ともありがちな展開である。

どうにもならなくなったセキュリティコンピュータは、自らブリムストン・プロトコル発動のカウントダウンを始める。

ブリムストン・プロトコルなどという大げさなネーミングだが、アウトブレイクが起きた時点で島ごと軍隊に爆破されるというミッションのことである。

そしてメラニーたちのキャンプ地にもゾンビがやってくる。ここはフェンスに囲まれているはずだと不思議がるガイド。しかし気がつくと大量のゾンビに囲まれていた。

武器で必死に応戦する一行。トラックで逃げようとするも、エンジンがかからない予定調和。一行はトラックの上へ。ここで1人やられるが、何とか殲滅。朝までトラックの上で過ごすことに。

しかし誰も助けに来ない。ガイドはブリムストン・プロトコルが発動されることを悟り、島の端にある港へ向かうことに。まずは通信施設へ向かい、地下道を通って港に出るらしい。残り6人。

道中、セイディがセキュリティシステムに悪さをしたことが発覚。彼女はリビング2というゾンビの権利団体の人間だった。どんな世界にもこういう人いるんだなぁ。しかし彼女は「リゾート」の情報をダウンロードしただけで、それによってウイルスがばらまかれることを知らなかったらしい。

ここでガイドが噛まれ、生きているうちに額を撃たれアウト。正しい処置といえる。残り5人。

通信施設へ到着。施設内へ入るが、外から大量のゾンビ。すったもんだした挙げ句、少し前に死亡フラグを掲げたセイディが腕を噛まれアウト。メラニーに「リゾート」のデータを託す。残り4人。

地下道へ。タイムリミットは1時間らしい。

暗闇の中、先へ進む。これは怖い。1人噛まれアウト。残りはメラニーと恋人ルイス、そして自前拳銃の強者の3人。

地下道を抜け、ようやく外へ。そこは難民施設だった。3人は地下道を逆走してきたわけだが、地下道には巨大なオーブンのような設備や大量の檻があった。つまり「リゾート」は難民を殺してゾンビにしていたのである。

確かにゾンビを狩りまくっていれば、いつかはゾンビ資源が枯渇する。その対策としてこのような残忍な方法が行われていたのである。

ここでまた大量のゾンビ。3人は地下道へ逆戻り。必死にドアを押さえているメラニーと自前拳銃の強者を尻目に、恋人ルイスまさかの裏切り。1人で鎖をつたい上階へ逃げてしまう。同時に死亡フラグを掲げたルイスであった。

自前拳銃の強者は1人でドアを押さえ、メラニーを上階へ行かせる。次は強者の番だが、強者はドアを開けてハンドガンをぶっ放しながら外へ走っていってしまうのであった。いずこへ？

1人になったメラニー、上階の奥へ。本部がある施設？へ出る。倒れていた死体から銃を拝借。

ここで裏切り者ルイスと再会。イザコザ。ルイスは噛まれていた。ルイスに銃を渡す。直後にゾンビに襲われ、ルイスアウト。

その後、創始者に遭遇。ずっと同じ部屋に籠もっていたようだ。銃の奪い合いでイザコザ。この間にドアが開き、ゾンビがやってくる。創始者アウト。

メラニー再び逆戻り。やっと屋外へ出る。しかし大量のゾンビ。走って逃げるメラニー。

ここでプロトコル発動。空爆開始。走って逃げるメラニー。

崖から海へダイブ。救助ヘリに救われた様子のメラニー。

ニュース映像。この事件で250人が犠牲に。生存者メラニーが紹介されている。彼女が持ち出したデータで「リゾート」の悪行が明らかになり、世間に衝撃を与える。

そのニュースを見ている男、自前拳銃の強者である。生きていた。

しかし、引き続きリポーターが事件を伝えているとき、海から大量のゾンビが砂浜に上がってくるのであった。おしまい。

なりたてのゾンビは足が速く、時間が経つほど足が遅くなるという、ゾンビ設定の凝り方はなかなか興味深い。

島のゾンビエリアというクローズド・サークルでの戦いとプロトコル発動までの緊迫感は見ごたえがある。数々の予定調和も微笑ましい。

パケデザインで損している感はあるが、十分に楽しめるゾンビ映画である。

日本にもこんな施設があれば。レ●ランドじゃなくて。

でも行かないか。船苦手だし。

【MARKING】

オススメ度：★★★★★★★★8

えげつない度：★★★★★5

セキュリティ弱すぎ度：★★★★★5

禍々しい度：★★★★★★★7

【INFORMATION】

・原題：THE REZORT

・製作年：2015年

・製作国：イギリス／スペイン

・監督：スティーヴ・バーカー

・製作：シャーロット・ウォールズ、ニック・ジロット、カール・リチャーズ

・製作総指揮：エイドリアン・ポリトウスキー

・出演：ダグレイ・スコット、ジェシカ・デ・ゴウ、マーティン・マッキャン、ジャッサ・アールワリャ、エレン・リス

【告知！】

ホラーがメインのツイッターはじめました！

@KURIoftheDEAD

ゾンビ・サファリパーク