夜明けとともに辿り着いた浪江町、

この日の朝の気温10℃。

 

 

 

 

薄着で来たことを後悔しつつ、まだ眠っている町の中、

給餌器にフードを詰めて歩く怪しい中年女。

 

 

 

 

が~ん!

 

茶とらんが来ている給餌器の中。

 

フードは空っぽの上に、

ウンチのおみやげ付き。

ウンチを取り除いて、タッパーを

拭いてご飯を詰め直す。

 

茶とらん、何日もご飯が食べられずに

いただろう。

 

 

こちらは、はじめて行ってみた海側のポイント。

 

蓋を開けて・・・

 

 

 

ショック!                矢印 裏側から見た図

 

 

野生動物によって、破壊されてた。

 

もちろんフードも空っぽ。

 

工具類を持っていないワタシは、

落ちていた蓋を回収して、犬とり名人シェルターに

持ち込む。

いつもの困った時の神頼み!

 

 

たくさんの犬や猫のお世話に明け暮れる

犬とり名人。

 

給餌器の蓋の修理、快く引き受けて下さいました。

 

 

 

こちら帰還困難区域。

 

初夏を知らせるもっこう薔薇。
 

手付かずの庭は、ある意味イングリッシュガーデン風に

なってましたが、草をかき分け給餌器に辿り着くのが

結構大変。

 

そして、動いているうちにジリジリと気温は上がり、

日差しも夏のそれになって来る。

 

 

本日はもうひとつ。

 

超久々に帰還困難区域でもその奥地、

O地区に行ってみました。

 

途中、山沿いの道は狭く、

土砂崩れにでもあったら、帰れなくなりそうな秘境。

 

 

 

人の姿は全くなく、静まり返った草原に、

のんびりと草を食む牛たち。

 

本来は屠殺されるはずが、

皮肉なことに原発事故によって幸せを手に入れた、

数少ない牛たち。

 

 

たくさんの牛が、壮絶な餓死を遂げていったこと、

ワタシは忘れないよ。

 

 

 

この場所、実は・・・

 

今でも空間線量が、結構高い。

 

どうして久々にこの場所を訪れたかといえば、

最近、猟友会が仕掛けた野生動物捕獲用のトラップに

黒猫が入ったとのことで、それはその場で放たれたらしい。

 

一体、何を食べて生きて来たのか、

どこか餌を求めてこの奥地まで迷いこんだのだろうか?

 

見掛けたらすぐに保護案件だけれど、

その姿、タイミング良く見つけられるはずもなく、

結局空振りに終わる。

 

何かこれという成果もなく、淡々と行う給餌。

 

 

 

近く解体される家屋。

 

一家はすでに遠く県外で、新たな生活をされている。

 

原発事故の翌年だったか、こちらのお宅の猫は、

当時動いていたボラさんとワタシとで保護。

 

以後も、大事な餌場になっていて、先日もカメラに

2匹の猫が写っていたから、この解体はかなり手痛い。

 

結局、今日一日ポイントで猫を見掛けることはなく・・・

 

 

猫なら、ここにいっぱいいますよ!

 

 

そうです、唯一浪江で猫が見られるのは

犬とり名人宅。

 

 

ワンちゃんとも会えますよ!

 

 

ワタシといえば、こうして気ままに給餌に来て

疲れたら帰っていけばいいけど、

複数の動物を受け入れるということは、

覚悟と献身と自己犠牲と・・・

どんな仕事より尊いと思うのに、対価もなく、

地味過ぎるし、世間が認めてくれるものでもない。

 

 

行き場を失くした廃棄物のそばに、

マーガレットの群生。

 

人知れず、与えられた短い時間、

精一杯咲き尽くす。

 

 

みんなそれぞれの場所で今この時間を、

一生懸命生きているんだね。