置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~
ホームセンターで購入してきたフード約150kg。

淡々と、小袋に詰め替える。


夜中、出発前のこの作業、地味すぎて

一人でやってると、訳も無く悲しくなる。




置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


そして、20km圏内に入る頃・・・

疲れ目と酷暑で第一原発がかすんで見える。


どうやってここまで運転してきたか、

途中の高速の記憶が無い。


それでもポイントを回り始めると、

少しずつ覚醒してくる。

何だか、警戒区域に戻ったみたいに

静まり返った20km圏内。





置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

前回から登場させた新型給餌器。

(ひらたく言うとゴミ箱)

こんなふうに、H鋼やバリケードで塞がれた場所でも、

ほ~ら、手を伸ばせば大丈夫。


ぶっ飛んでないのはいいけど、

誰でも食べれるのが唯一難点だと思う。

タヌキさんもキツネさんもみんなウエルカム。




置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


捨てるな!

って、目的語を猫に変えて、

その言葉そのままお返ししますよ、あなた達に。


看板では無くて・・・


コンテナにカラスよけの黄色いリボン。

にゃんだ~さんだろうか?

みんな、どうしたらいいか頭を悩ませている。

空っぽだった、このコンテナにもフードを補充しておく。

今日は、ぶり返した暑さに、猫達とも会えず、

元気なのは雑草と蝉だけ、と思ったけど・・・



置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


道路をゆるゆる横切る大きなサビ猫ちゃん。

クルマを乗り捨て追いかけるわたしと、

一瞬、にらめっこ。

それから、草の中に消えていった。


バイバイ、ご飯だけは置いていくね。

この場所には今もたくさんの猫が

生きてご飯を待ち続けてる。


もう、福島通いをやめて、

普通の生活に戻りたいと思うんだけど、

振り返りながら消えてく猫のこと思うと、

どうやって線を引けばいいのか自分でも分からない。


人間なら、苦しいって泣いたり叫んだり出来るけど、

動物達は何も言わず死んでいく。




置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

これが二度目だね、

こげ茶のマーブルちゃん。

前と同じ場所にちょこんと座ってた。


連れ帰ることは出来ない、でも何とかしたい!

この場にクルマを止めたまま硬直してると、

反対車線から近づくパトカー。

大急ぎでアクセルを踏み込む。


何も、悪い事なんてしてないのに。

反射的に、逃げる癖がついてしまってる。

いえ、日本では給餌さえも悪なのだから。


一旦、この場を離れてから舞い戻ると

マーブルちゃんはいなくなってた。



置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

バリケードが閉まる前に、

双葉町の残りのポイントを駆ける。


ここは、花ちゃんやジャムちゃん、

しずくちゃんを保護した場所のすぐ近く。

雑草に消えかかってる常磐線。

長期帰還困難区域は壊滅的だ。


錆びた線路は、一体どこに繋がっていくのだろう?

この先に、夢の駅なんてあるはずもない。


おまけ・・・


置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

犬とり名人宅のシェルターにて。


わたしは一度だけ、パトカーから逃れる為

迷い込んだことがあるが、その山奥、

長期帰還困難区域で生き残ってた

シャムMIXふわふわちゃん。

頭にのっかってるのは天使の輪・・・

じゃなくてベットで~す。

里親さんのこと、待ってますよ音譜



置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

アニエイシェルターにて。


ずんちゃんはいつも眠そう・・・

このクリーミーな毛色から、

あ~まったり~、と思いきや、

突然激しく甘えてくるタイプ。

刺激を求める肉食系女子に

特におすすめナイフとフォーク


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