淡々と、小袋に詰め替える。
夜中、出発前のこの作業、地味すぎて
一人でやってると、訳も無く悲しくなる。
そして、20km圏内に入る頃・・・
疲れ目と酷暑で第一原発がかすんで見える。
どうやってここまで運転してきたか、
途中の高速の記憶が無い。
それでもポイントを回り始めると、
少しずつ覚醒してくる。
何だか、警戒区域に戻ったみたいに
静まり返った20km圏内。
前回から登場させた新型給餌器。
(ひらたく言うとゴミ箱)
こんなふうに、H鋼やバリケードで塞がれた場所でも、
ほ~ら、手を伸ばせば大丈夫。
ぶっ飛んでないのはいいけど、
誰でも食べれるのが唯一難点だと思う。
タヌキさんもキツネさんもみんなウエルカム。
捨てるな!
って、目的語を猫に変えて、
その言葉そのままお返ししますよ、あなた達に。
看板では無くて・・・
コンテナにカラスよけの黄色いリボン。
にゃんだ~さんだろうか?
みんな、どうしたらいいか頭を悩ませている。
空っぽだった、このコンテナにもフードを補充しておく。
今日は、ぶり返した暑さに、猫達とも会えず、
元気なのは雑草と蝉だけ、と思ったけど・・・
道路をゆるゆる横切る大きなサビ猫ちゃん。
クルマを乗り捨て追いかけるわたしと、
一瞬、にらめっこ。
それから、草の中に消えていった。
バイバイ、ご飯だけは置いていくね。
この場所には今もたくさんの猫が
生きてご飯を待ち続けてる。
もう、福島通いをやめて、
普通の生活に戻りたいと思うんだけど、
振り返りながら消えてく猫のこと思うと、
どうやって線を引けばいいのか自分でも分からない。
人間なら、苦しいって泣いたり叫んだり出来るけど、
動物達は何も言わず死んでいく。
これが二度目だね、
こげ茶のマーブルちゃん。
前と同じ場所にちょこんと座ってた。
連れ帰ることは出来ない、でも何とかしたい!
この場にクルマを止めたまま硬直してると、
反対車線から近づくパトカー。
大急ぎでアクセルを踏み込む。
何も、悪い事なんてしてないのに。
反射的に、逃げる癖がついてしまってる。
いえ、日本では給餌さえも悪なのだから。
一旦、この場を離れてから舞い戻ると
マーブルちゃんはいなくなってた。
バリケードが閉まる前に、
双葉町の残りのポイントを駆ける。
ここは、花ちゃんやジャムちゃん、
しずくちゃんを保護した場所のすぐ近く。
雑草に消えかかってる常磐線。
長期帰還困難区域は壊滅的だ。
錆びた線路は、一体どこに繋がっていくのだろう?
この先に、夢の駅なんてあるはずもない。
おまけ・・・
犬とり名人宅のシェルターにて。
わたしは一度だけ、パトカーから逃れる為
迷い込んだことがあるが、その山奥、
長期帰還困難区域で生き残ってた
シャムMIXふわふわちゃん。
頭にのっかってるのは天使の輪・・・
じゃなくてベットで~す。
里親さんのこと、待ってますよ
アニエイシェルターにて。
ずんちゃんはいつも眠そう・・・
このクリーミーな毛色から、
あ~まったり~、と思いきや、
突然激しく甘えてくるタイプ。
刺激を求める肉食系女子に
特におすすめ
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