置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~

富岡町某所。

行きの渋滞で疲れきった頭と身体に

容赦なくとどめを刺される。

地理に不案内な上、カーナビがキャッチ出来ない

バリケード群にため息。


何万台ものバリーケードに掛ける予算があるなら

垂れ流しの汚染水を止めてくれっ。

5年後に帰れるんでしょう?

今度はこのバリケード、何処に持っていくつもり?



置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


とあるお家のウッドデッキの下、

小袋に入れられたフード。


個人で動いているMちゃんだと思う。

もう一人もっち~さんにしても、若い女子達が

もう、二年数ヶ月、被曝のことも省みず、

自分の命を切り崩してまでやってるのに、

国を動かす奴らに、この叫びなんて届かない。

動物達に対して、全く愛情の無い国。


何処にも冷房のない、灼熱のアスファルトの上

歩いてみたらいい。



置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


この子みたいにね・・・。

ここには水も無ければご飯もない。


20km圏内で生きる事が、どういう事か

分かるから。







置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


日中の最高気温が37℃のこの日、

なかなか猫達は姿を見せなくて、

湧き水が流れるここなら、きっと水を求めて

やって来るだろうと掛けた捕獲器。




置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


作戦成功~音譜


ちょっぴりアメショー風味サバとらおチビちゃん。

明らかに今年生まれた人間を知らない子。

猫の形をしたリスかもしれない。

捕獲器の中をくるくる回ってた。


二日間20km圏内に入ったけれど、あまりの酷暑に

長時間捕獲器を掛けるのは難しく、

日曜日、短時間だけ掛けた中に入った子。


そして帰りに、地元の犬とり名人のシェルターへ。



置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


数日前、浪江町居住制限区域で

犬取り名人が保護したワンコ。

痩せ痩せで毛玉がゴロンゴロンついてたそうだ。

その名も麻呂ちゃんラブラブ

首輪もついていたとのこと。

歯を見るとまだ若く、二年以上彷徨いながら

それでも人間を忘れすに居た甘えんぼちゃん。


今日はもう一匹、先に保護をお願いしてた

ニャンコも一緒に帰ります!



置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


何、何~ビックリマーク何かいいことはてなマーク


麻呂ちゃんたちは、居てもたってもいられない。


ニャンコをケージからキャリーバックに移すところ。

この行為、わたしには全く向かない。

ワンコと一緒に見てるだけ~。


ところが、大ショック。

肝心のこのニャンコの写真撮るのを忘れました。

茶しろのイケてる子なのに~あせる





置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


この場所は時が止まったまま。

今は人が自由に行き来出来る。


人間は自然災害の前では

無力だっていう人がいるけれど、

案外逞しく生きてるのが人間。

現地を訪れてそう思う。

もちろん、当初は成す術もなかっただろう。

けれど、これだけ時間が経った今、

前に進むしかないんだから。

ゼネコンがらみのお金が動く政策だけは、

とんとん拍子に進んでいくこの国。


本当に無力なのは、犬や猫や牛達だと思う。

誰にも、その声は届かないんだから。


そして、助けたいと思って動いてきたけど、

何も変えられなかったわたし達こそが無力。




置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


駅に散歩に来ていた警察犬と出会う。

お盆に向けて、500人体勢で津波被害の遺体捜索があり

他県から出動要請されたのだそうだ。


まるで温熱地獄さながらの20km圏内。

せっかくこの状況下やるのだから、

見つかるといいね、一人でも。

家族は帰ってきてくれるの待ってる。

白い骨になっていても。


そして、これでもかと与えられた逆境の中、

全てを受け入れて生きてる、

動物達・・・。


この駅のそばに、今も猫達が居ると聞き、

フードを置いてこの場を後にする。



*茶しろちゃんのお顔はこちら

http://ameblo.jp/animalaid-jimunikki/entry-11591089465.html