今度いつ給餌に行けるのか、
先が見えないまま、時間だけが過ぎる。
絶望と悲しみと、追いかけられる恐怖と怒り。
負の感情だけを力にして、
一年と数ヶ月続けてきた警戒区域での活動は、
生活の一部になっていたのだと思う。
気晴らしに街に出て、余計気分が滅入る。
誰かと会っても、他愛もない会話が退屈になる。
美味しい食事も、喉を通るだけで、
ただ、生命を維持する為のもの。
自宅玄関に置かれたままのフード。
妹夫婦から送られたもの。
きっと今夜、もう何度目か
凍える身体で、空っぽのフード袋を覗きに来てるだろう。
今すぐに
飛んで行きたいんだよ。
あの子がいた場所へ・・・。