置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~  10月のある日


今は温かい、誰かのお家にいるでしょう?

そんなふうに思いたい。

もう、ここ小高には近づけないから。









置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~  


サンタさんは来なかったね。

1500ccのクルマには

君達のご飯は載せられなくて。










置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~  


おびただしい数の乳牛が横たわる牛舎。

石灰をかけられて、無かったことにされる。


家畜の犠牲は何千頭なのだろう。

繋がれたままの乳牛は、絞られなくなった乳を腫らし、

痛い痛いと泣きながら死んでいった。

分娩中に力尽きた母牛と赤ちゃん牛。

縄を解かれ自由になるも、水を求め、

3月の雪解け水の水路に落ちたまま、

戻れなくなった牛。

そして壮絶な餓死。

逆性石鹸での毒殺。


自分が死ぬとき、どれを選ぶ?と

問われたら?










置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


あたり一面の津波の跡。

波がさらっていったもの、

放射能が奪ったもの。

人間の力なんて、

どれだけちっぽけなものか。