今は温かい、誰かのお家にいるでしょう?
そんなふうに思いたい。
もう、ここ小高には近づけないから。
サンタさんは来なかったね。
1500ccのクルマには
君達のご飯は載せられなくて。
おびただしい数の乳牛が横たわる牛舎。
石灰をかけられて、無かったことにされる。
家畜の犠牲は何千頭なのだろう。
繋がれたままの乳牛は、絞られなくなった乳を腫らし、
痛い痛いと泣きながら死んでいった。
分娩中に力尽きた母牛と赤ちゃん牛。
縄を解かれ自由になるも、水を求め、
3月の雪解け水の水路に落ちたまま、
戻れなくなった牛。
そして壮絶な餓死。
逆性石鹸での毒殺。
自分が死ぬとき、どれを選ぶ?と
問われたら?
あたり一面の津波の跡。
波がさらっていったもの、
放射能が奪ったもの。
人間の力なんて、
どれだけちっぽけなものか。