置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


11月。

クルマに乗ったまま、ダチョウさんとしばし戯れていた時のことだった。

道端にキャットフードを置いたけど、気が付いていないみたい。

そもそも、お好みじゃないのかしら。


そこへ、反対車線からパトカー。

とうとう、捕まるかも・・・・。やばい。

でも、ダチョウさんがクルマの回りをじゃれついていて、

急発進したら危ない。

ゆるゆるクルマを走らせると、丁度パトカーがスピードを落として近づいてくる。

そして今度はパトカーにご挨拶のダチョウさん。

その間に、私たちはスピードをあげその場を去る。

サンキュー!絶妙のタイミング。

息のあったプレイhart





置き去りにされた小さな命~福島第一原発20km圏内 警戒区域から~


そして12月。

とうとう小高近辺で職務質問にあってしまったぷんぷん

ここはやたら警戒が厳しい。

免許証を控えられ、後ろの荷物を確認すると言う。

「見せたくありません。

あなた方にそんな権限あるんですか?」

(むっちゃ、ありますよ。それは、知ってます。)

そんなわたしのささやかな反撃も及ばず、

さらけ出されたフードと捕獲機。

大体、普段は従順に生きてるので、

毒を吐くことも少なめのわたし。

でも、この時は変身してしまった。

だってぐずぐず言ってくるから。

しまいに、別の警察車両もやって来て、挟み撃ち。


「あなた達には、血も涙もないんですか。

厩舎知ってますか。あれだけ牛を餓死させて、

視察だって現場を見た政治家が

何も出来ないじゃないですか。

牛のように見殺しにしていいんですか?

犬や猫も・・・。もう遅いですけどね汗

あなた方に言っても仕方ないですけどね。」


その後、解放されたが、この警戒の厳しさ故に

小高では定期的な給餌が出来なくなっている。

この地区はかなりの猫が残っていて

首を長くしてフードを待っている。

それなのに・・・。

どれだけの警察車両を小高に動員してるんだ!

他に仕事があるだろう、

とココロの中でつぶやいてみる。



ところで・・・・

富岡では猟銃店から散弾銃とか6丁も盗まれてるんですよ。

6号線の自動車ディーラーの重厚なショーウインドウは割られ・・・。

そいつらを捕まえられなくて、何でわたしなのよ。

しかも、小高は線量も低い場所が殆どらしい。

そんなとこばっかり回って、日報の為の仕事するのは止めてちょうだい。

悔しかったら、3km圏内に入ってみろ!っつ~の、

とココロの中で思ってる。