てとてとてとてと

    てがよんほん

 

    てとてとてとてと

    らっぱふく

                 谷川俊太郎

 

 

手     指とてのひらのかたち。

掌     てのひら。たなごころ(手心),手の中心とも。足に、足心。

指     旨は、匙(さじ)で口に流し込むかたち。魚がうまい、鮨。脂がうまい。

      脂肪の方は、左右にはみ出るかたち。地方は都市からはみ出たところ。

 

 

采     木の実を片手で摘み取る。

採る    えらび、摘みとる。

 

取る    そもそもは首級の耳をとる。

撮る    一番すぐれているものを摘みとる。

執る    しつこく、とりつく。固執(こしゅう)。

 

摂(攝)る 耳をそろえるように手でそろえ持つ。摂生、命をやしなう。摂政、天子に代わって政治を執る役人。

獲る    犬を使って鳥獣をとる。

盗(盜)る 次は、羨ましくて涎を流すし、ぬすむ。

録る    みずみずしい事柄を金属に記す。

 

秉 ヘイ  禾(稲)の束をにぎる。

把 ハ   しっかりつかむ。把握。

捕     甫は稲の苗。しっかり手にとる。

拿     手のひらでとらえる。拿捕。

 

菜     採取して食べる、草。

彩     多くの色の中から選んでとりあげるいろどり。あや。

 

 

埒 ラチ  両手で土を寄せ集めたほどの低い垣。サッパリ「ラチ」があかない。

寽 リツ  両手でとる。

 

爪 ソウ  つめ。上から手をかぶせて、クレーンゲームのようにつかみ取る。

      上から手をかぶせ、下にあるものをツマミ持つかたち。

 

  瓜 カ  蔓に生った、ウリのかたち。

       メロン、胡瓜、南瓜,西瓜,冬瓜。ズッキーニなど。

 

 

抓 ソウ  つまむ。爪でかく(掻く)。隔靴搔痒。

      掻  蚤(のみ)に食われて、ツメでかく。

      蚤  爪でつぶす虫。

      騒  蚤に食われた馬が尻尾ではじきはらう様。

      喿  木の上で鳥たちがさわぐ。

 

笊 ソウ  手を伏せるようにして置くざる。

 

 

争(爭)  上の手と下の手が引き合って、あらそう。

静(靜)  「i was borm」の吉野弘は、空の青と青が争い、「静か」と解釈。

   

   青(靑) 生と井から成り、井戸の枠の中に清水の貯まったかたち。井戸の水が青く澄んでいたからと。

   生    草木がはい出てきたさま。生える。いきいきと生きる。

   星    日は太陽。清らかな光を放つ天体。

浄(瀞)  静は、きよらか。いさぎよい。潔い、潔白。

 

箏     こと(琴)。両方から引き合って。

 

 

為     爪と象から成り、手で象を飼いならす。なす。

偽 ギ   人が手を加えてた、つくりごと。  

    贋 ガン 小さな雁(かり)は、大きな鳥に似せて隊列を組むから。にせ。贋作。

         レオ・レオニの「スイミー」は、睡眠、狸に化けて寝たふりするかな。

妥     女子にやさしく手を差し伸べておだやか。ボーナス交渉妥結。

 

孚 フ   乳児を抱きかかえて、やしない育てる。

 

孵     卵をかえす。

 

浮     孚は包に通じ、つつみふくれる。水上にふくれあがってくる。

 

 

援     上下から手を差しのべて、助ける。

 

緩     ゆるやか,のびやか、寛に通じ、糸を緩める。

 

受     上の手と下の手で「渡し舟」をうけとる。

授     上から舌の人に与える。

 

将              戦で木をきりひらき簡易ベッドやキッチンを取り仕切る、将軍。

 

捜(傁)  手探りをする。叟(おきな)は、手に火を持ってさがす。

 

手はやさしい天才。先手観音のごとく。千の手と手のひらの千のにによって、悩み苦しむ見つけては手を差しのべる。

 

 

右「又」  たすける。  

祐      〃

佑      〃

左      〃 

佐     人が助け合う。

      軍隊の 少佐、中佐、大佐は、上司の尉官をたすける係。

      尉の寸は手。上から手で押さえる。

      慰は縮んでしまった心をのばし、なぐさめる。

 

助     力を重ねて、たすける。

扶     夫は男。手を差し伸べてたすける。

輔     付き添ってたすける。

 

補     足りないところを補いたすける。

侑 ユウ  手を取り合いたすける。

相     詳しく見る。相談、補佐する。

賛     ほめたたえ、たすける。

贊 サン  兓(サン)はたすける(賛)。

      ほめる。賞賛。

翼     左右のわきから両手を差し出し助ける。わきから両手を差し出し助ける。

 

援     引き寄せてたすける。

丞 ジョウ 落とし穴に落ちた人を助ける。

      輔(たすける)の下、録(さかん)の上。

    丕(ㇶ) おおきい。不はふくらんだ子房のかたち。

将     助け、まもる。

 

介     人と人の間に入って助ける。

毘     たすける。

比     仲が良い。互いにたすける。

    批 基準となるものと並べる比べて正す。

幇 ホウ  助ける。太鼓持ち、幇間。

資     次は、のんびりした人の形。

      資力でたすける。

弼 ヒツ  弓弓は二人の人。百はしとね。

 

 

協     力を合わせ、たすけあう。

   叶う 叶は協のこと。望み叶う。

 

 

 

寸   おやゆびをあて「脈をはかる」さまから。一寸(てょっと)の3センチは、親指ほどの長さ。

    アンデルセンアの親指姫や一寸法師のサイズはこれ如何に。

 

肘   ひじ(肱)。

 

澍 ジュ 万物を生き生きと立たせる程よい雨。

樹 ジュ 手で立たせ、植える。植は、真っすぐに。

壴 シュ 立てる。

尌 シュ 手で立てる。

 

射 シャ 手でいる。

謝  〃 あいさつの言葉を放つ。さらには捨に通じ、捨て去るの意味も。ことわる(謝絶)。

榭  〃 うてな(台・臺)。

 

 

導   手をつなぎ、導きゆく。

尊   両手で酒樽をささげる。

尋   両手を交互に動かし、ひきよせる。

 

 

 

 

𦥑 キョク 両手で持ち上げる。

臾 ユ   両手で上に引き上げる。

与(與)  なかまと共に助け合う。

舁 ヨ   二人が両手で担ぐ。

      共 大きなものを両手で共にする。

      友 手と手を合わせる。

輿 みこし 御輿を上げる。

穥 ヨ   仲間と稲を植える。

 

臼 キュウ うす

臿 ソウ  さす。

鍤     土にさし、隙を入れるすき(鋤・鍬・犂)。農耕の隙の腹ごしらえのスキ焼きは、これらスキを鍋代わりにして始ま         った。

挿(插)  さし、さす。挿入。挿し木。

 

挙(擧)  共に手を合わせて。

 

 

看     手をかざして見る。