たとえば杉の木、真っすぐに伸びるからと「杉」の名を与えられ千年を生き、なお材となって長きを生きながらえる。鳥たちは空をかけて、自在に旅をする。木は風に吹かれ揺れるばかり、だから長寿を与えられたのだという。木は鳥たちを宿し旅の物語を聞いては存分に実を与え、海をこえて鳥たちの山である「島」に一粒のタネをまく。
桟 木をうすく平らに加工。障子の桟、あるいは架け橋。
板 うすく平らに。
札 木のふだ。乙は彫刻刀のかたち。
栞 カン しおり。干はけずる意味。幹をけずったり、枝を折ったりして道しるべに。
干干 カン たいら。
幹 よく伸びた木のみき、せぼね。
竿 カン さお。
刊 削る。刻む。版木に彫り書物を刊行する。
衎 カン 街をつきすすむ。
街、圭は縦横の模様のある玉。大通り。
汗 干は、旱(ひでり)、暑くてアセをかく。
散 木をバラバラにするいみ。
木力 ロク 年輪。力は理のこと、木の筋目。
侖・里 筋目のいみ。
文 すじみち。もよう。法、のり。
輪 年輪。
環 ワ 輪の形をした珠。
釧 クシロ 古代の腕輪。
銚 チョウ 田畑に割れ目をつける、すき。鍬(すき)。このスキが、「すき焼き」に。
倫 人のすじみち。
淪 輪のように広がるさざ波(淪波)。
圇 その形のまんま。囫圇。
棆 くすのき(楠)。
綸 すじ道の通った糸、綸子(りんず)。紗に似た絹織物。インド更紗。
里 さと、郊外。土は土地の神を祀る祠(ほこら)。神社。
理 原石の持つ「整ったすじ」を美しくする意味から。論理。
狸・鯉 すじめのあるタヌキ。生け贄にされ、しばしば埋められた。コイは筋目がはっきりしているから。
里芋 掘り出したイモ、まるでチビ狸のように、縞々、もっさり、ずんぐり。
芋は、誇るように芋ずる式に増えるから「夸(またがる)跨る」の字が与えられた。
厘 筋目のある目盛り。
裏 縫い目の筋が見える衣のうら。占いは、裏(外)がないから。外も卜も占いの意味。
表 衣と毛から。毛皮で衣を作ったから。
「ズタズタ」にする
戔 セン ズタズタに。そこなう。
浅 うすく切る。
残 敵の部族の骨を骨をずたずたにして残さず滅ぼす。
銭 そもそもの意味は、土の中に含まれる刃物でずたずたにする。
金 、,は、「土」の中にある金属のいみ。
綫(線) 岩穴から湧き出す泉のような糸筋。
剗 ずたずたにきる。
箋 竹や葉をうすく切って、便箋や付箋に。
諓 こまごまと巧みにものを言う。
碊 かけはし。うつる(移)。
濺 水をそそぐ。
賎(賤)おかねにいやしい。
「卑しい」は、祭事用の樽に比べ、暮らしに使うのでいやしい。
碑 (石碑・いしぶみ)低い立石に日時計などをつないだ。卑は、ひくい意味。
践 足で踏みつけて、ずたずたにする。
餞 旅立つ人へのはなむけ。
「ギザギザ」のかたち
丵 サク
業 わざ。厳に通じ、仕事の意味に。。
厳 きびしい、学芸の習得。
ギョウ のこぎり状のギザギザの装飾を施した楽器をかける、かざり板。
ゴウ 善・悪の報いを引き起こす行い。
対(對) ギザギザの刃のついたノミを手にした形。
目上の人に、こたえる。応対。
鑿(のみ)。うがつ(穿)
鄴 ギョウ 鄴架 書物の多いこと。
菐 ボク わずらわしい(煩)仕事。
僕(㒒) しもべ、下僕。
嶫 ボク 厳しい高い山。
幞 〃 頭巾、鉢巻き。
叢 ソウ むらがる。くさむら。叢書。
我 ギザギザした戈のかたち。
義(羲) 羊と我から。 ギザギザの刃のある鋸のかたち。
鋸(キョ) 居は固い。かたくしっかり、すれる。
刖(ケツ) のこぎり。
儀 礼法。
蟻 ギザギザの触覚をもつ、あり。
嶬 山が険しい。
議 あるべき正しい道。
犠 いけにえ。
餓 たべものがなくなって骨のギザギザがあらわれる。
「ジグザグ」「バラバラ」
裂 レツ ひきさく。さきやぶる。
剖 ボウ 北に通じ、一つのものが二つに離れる。
「副」も北に通じ、一つのものが二つに離れる。
割 カツ 刃物などで切り開く。
割合。歩合。率。
「曲がったり、軋んだり」
乙 オツ・イツ 味なこと奇なこと粋なこと。
乚 イン 隠(隱)の古字。
㥯 まとい隠す。秘密にする。
軋 アツ 滑らかではないジグザグする、きしむ車。軋轢。
轢 レキ ふみにじる。車に轢かれてツブツブになる。
鳦 イツ 燕。ジグザグに飛ぶから。
圠(𡴭)アツ 山のくま。
山乚「峠」 山のくま。
乳 ちち。
「曲げておし詰める」
九 数の尽き極まる。
尻
殿 尻のように殿とした高殿。
臀(臀) しり。ものの底。
究 穴をきわめる。
窮まる。 穴と躳(きゅう)から。身は、はらんだ腹。呂はせぼね。
極み。 きわみ。亟(きょく)は、問い詰める。家屋の最高のところにある、むね。
旭 曲がって抑えられた光が輝くことから、朝日。おごるさま。
迤 イ あっちへ行ったり、こっちへいったり。
斜めに行く。
「zマーク 稲妻」
1862年 アダム・オペル ミシン会社を作る。
ℤ blitz(ブリッツ)稲妻に由来。オペル車のロゴにデザイン。
仏の菓子
「エクレア」 稲妻をイメージに。
1919年。シトロエン ダブル・シェブロン(二つの歯車マーク)をロゴに。
凍る、「二水・にすい」とそっくり。 ---「水」のページにて改めて記述--。
「稲妻 いなずま 夏、秋、稲ノ熟スル頃ノ夜、空中ニテ時時閃ク光。
或ハ雷ノ発スル時ニモ起ル。イナタマ(稲魂)、イナビカリ(稲光)、イナツルビ(稲交)」
― 『言海』47ページより。 大槻文彦編
明治37年。我が国はじめての日本語辞典。
手元にある『言海』は縮刷版・明治42年の発行です。
稲がよく熟するためには、まずたっぷりの光を浴びなければならない。
ところが日照は気まぐれ。稲光は、光合成に欠かせないイオンが発生したすることが分かったのは、たかだか近年である。
なのにすでに明治には効果の実感を持っていたことに驚くばかり。
申 稲妻の走るさま。「神成」がもうす。
光合成を促す瞬間の太陽、田んぼに串さし。
雷(靁)かみなり。我こそは「神成り」の説あり。
蕾 つぼみ。閃く稲妻が花開くを促すのだろう。
電 まっすぐな稲妻「申」が、ℤの形に。電撃。
フランスのエクレア。命名の由縁。
1 クリームに被せたチョコが稲妻のようにひび割れて。
2 あまりのおいしさ。あっという間にペロリ、稲妻のごとし胃袋を貫くから。
神 かみ。
抻 引っ張って伸ばす。
眒 目を見張る。
訷 説く。
説は、解きほぐして話す。
呻 うめく。呻吟。
吟(ギン)も、うめく。吟詠、詩歌をくちずさむ。
霣 イン かみなり。
員 物の数。係の人。
隕 おちる。隕石。
韻 員は丸い。まろやかな響き。余韻。風韻。
響 卿は向き合う。ひびきあう。
䨩・霊・靈 レイ 神秘な力。
霝 レイ 雨つゆが滴る。
霤 畱(りゅう)は流れる。滴る雨だれ。
留(畱) 田の間をながれる水がとまる。
榴(橊) 幹に瘤、枝に刺。石榴。
瘤 流れが滞って、はれあがったこぶ。
溜(澑) 水が滴り流れる。溜飲が下がる。
龗 レイ 竜神。
禹 ウ 雨水の神。
竜(龒) 四霊(瑞獣とも)の一つ。
示 地の神。
社 やしろ。土地の神。
祇 うじの神。
応竜
霊亀
麒麟
鳳凰
「尻尾」突きでて
亀(龜)キ かめ。
鼈 ベツ すっぽん。
あるいは蕨(ワラビ)。芽を出したさまがすっぽんの足のような。
黽 モウ おおがえる。
尾 毛のあるしっぽ。
甩 シュツ 用と尾から成り、尾に力を入れて振る。
禸 ジュウ ムは、尾のかたち。
禺 グウ なまけもの、おながざる。
偶 ひとがた、土偶。
寓 木の枝にぶら下がって眠る怠け者。仮住まい。
寓話 教訓、風刺を含めたたとえ話。
隅 かたすみ。
遇 思いがけず出会う。遇合、良い運に巡り合うこと。
离 チ 獣の形の山の神(螭)
離 リ 列・刺に通じ切れ目を入れて、はなす。
離す 分かれて隔たりができること。
放す 分かれて束縛がなくなること。
漓 リ しみる。(灕)
璃 玻璃(はり)。ギヤマン。水晶。
禽 キン 網をすっぽりかぶせて生け捕りにするかたち。
とりこ。禽獣。
擒(いけどり)。
林檎(りんご) 檎は、鳥たちの集う木。
「厳つ霊」いかずち かみなりのこと。
「晴天の霹靂」 急に激しく鳴る雷。
厳 ゲン きびしい。はげしい。おごそか。
霹 雷神。靊も雷神さま。
豊(豐) ゆたかに盛られたたかつき。
豆 頭がふくらみ、あしの長い食器。たくつき。
靂 歴(曆) 程よく並んだ稲束の間を数え歩く。
暦 日々の経過を整然と順序だてる。こよみの 語源は「日(か)読み」か。
秝 レキ 稲が程よく並ぶ形。
厤 屋内に稲を整然と連ねる形。
「みずち」
螭(彲) チ みずち。雨竜。
魑魅 山の神さま。魑魅魍魎。
离 獣の形をした山の神。あるいは頭に飾りのつけた獣。
虯 キュウ みずち。竜の子で二つの角があるという。
虹 コウ 天空をつらぬくヘビがうねる形。竜の一種と考えた。
雄を虹、雌は霓という。
霓 ゲイ 雨の兒(児)、にじ。