前回は、保育園では「ひらがな」を教えないことを書きました。

 

今回は、「昔は教えていたでしょ?」と言う質問について書いてみたいと思います。

※保育園を中心に書きますが、他の幼児教育施設でも一緒です

 

昔の【幼児教育】

 

保育園で保育をするには、基準となる方針が厚生労働省より示されています。

保育所保育指針

になります(以下、「保育指針」といいます)。

 

この「保育指針」ですが、最初に作られたのは、かなり前になります。

昭和 40 年が最初になり、平成20年までに、2回の改訂を経ています。

 

当時の「保育指針」では、年齢ごとに、保育内容が区切られていましたし、保育指針は、あくまで目安としての位置づけでした。

 

しかし、平成20年に大きく舵をきり、改定された「保育指針」は単なる目安から、遵守するものに変わりました。

※改訂と改定の違いです

 

つまり、平成20年より前の保育園では、その保育園の考えで何をしてもよい(少し語弊がありますが)ことになっていました。

 

そこで当時は、小学校にあがっても困らないようにとの理由から、小学校で教える内容を保育でおこなう保育園がありました。

(個人的には、【園児獲得】の側面も強かったのではと考えています)

 

当時の保護者様の認識も、早期英才教育の要望が多く、自然と「ひらがな」や「さんすう」を教える傾向になったのだと考えています。

 

 

平成30年の大改定

 

前述の通り、平成20年度より新しい「保育指針」が始まりました。ここでは見直す内容のひとつとして、こどもの育ちを年齢で区切ることを改めました。

(ほかにもかなりの改定がおこなわれていますがここでは割愛します)

 

当然ですが、同じ5歳児でも、4月生まれと3月生まれでは、約一年間の開きがあります。これを同じ目標で保育することには無理があります。

 

しかし残念ながら、この改定以降も現場を見てみると、昔の保育がかなり残りました。

実際に、私の経営していた園の園長からも、5歳児になったら、ひらがなのドリルをさせたいとの申請がありました。

 

そのような中で平成27年4月より、全ての子どもに質の高い教育・保育を提供することを目標に掲げた「子ども・子育て支援新制度」がスタートしました。

 

これに伴い平成30年度に「保育指針」のさらに大きな改定がおこなわれ、新たに、【10の姿】が示されたのです。

 

ここでは、「5歳児だからこれができないとダメ」のような考え方をしないようにと書かれています。

(記載されている表現は下記参照)

 

ましてや、小学校で習うようなことを、保育園で教えることはしないようにと暗示されています。

 

厚生労働省からの「保育所保育指針」の解説では、以下のように記載されています。

 

保育所保育指針においては、子どもの発達を、環境との相互作用を通して資質・能力が育まれていく過程として捉えている。すなわち、ある時点で何かが「できる、できない」といったことで発達を見ようとする画一的な捉え方ではなく、それぞれの子どもの育ちゆく過程の全体を大切にしようとする考え方である。そのため、「発達過程」という語を用いている。

 

つまり、現在の幼児教育では、「小学校にあがるまえに、”ひらがな” が書けないとこどもが困る」のような考え方はしなのです。

 

※そのために、小学校との接続がさらに重要な項目となりました。

(保・幼・小連携)

 

 

まとめ

 

保育の内容も、日々研究されていて、昔とはかなり変わってきたことが判ると思います。

 

しかし、専門的な内容が多いため、まだまだ世の中で認知されるには時間がかかりそうです。

 

 

次回は、この”ひらがな” 問題について、現場で働く保育士さんにスポットをあててみます。

 

③「現場の先生は混乱中」

 

 

当社では、ドローンを使った「幼児向けプログラミング教育」をおこなっていますが、小学校とは違い、10の姿を基盤に幼児向けの特別なカリキュラムとなっています。

 

株式会社くれよん (HP)

 

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