夏が近づき汗ばむような晴天の日が多くなってきて、海のレジャーも本格化してきた。
これに伴い、私が住んでいる地域の海でも、いわゆる水上バイクの方々が出没し始めた。
「出没し始めた」というとなんか痴漢や覗き魔みたいで申し訳ないのだが、しかし一部水上バイクの方々にはどうしてもその種のマイナスイメージが付き纏う。
私が図書館に寄ったついでにときどき散歩する砂浜は、監視員が常駐するような正式な海水浴場ではないが、大きな港に隣接していて波が穏やかなため、夏は地元の親子連れが水遊びを楽しんだりしている。
ところがここには水上バイクの方々もたくさん訪れるのである。
車を路上に停めておきやすい、ということも関係しているのだろう。
また、砂浜の端には日ごろ使われていない漁協の船揚場があり、手慣れた水上バイクの方々は、グループの車数台でそこを占拠してバイクの着水や引き揚げに勝手に(たぶん)使用している。
要は、波が静かで駐車違反に問われにくいため、水上バイクの方々も遊びに来やすいわけだ。
しかし問題はその先にある。
彼らは、水遊びしている子どもたちの脇や釣り人が静かに釣り糸を垂れている岸壁の近くで、例の鬱陶しいモーター音を殊更に響かせて、これ見よがしに蛇行運転や急転回を繰り返して波しぶきをあげる。
水上での移動を楽しむだけならゆったり静かに楽しむ方向もあるはずだが、それは初めから眼中にない。
走りや音で周りに目立たなければ意味がないからである。
陸上には、暴走族とかカミナリ族(古いなあ)とか呼ばれるお子様方がいる。
以下、あくまでも私見だが…
このお子様方も、わざわざ人が多くいる場所を選んで走り回って迷惑を掛ける。
オートバイで走ることが純粋に好きなのであれば、ルールを守ってツーリングしたり、どこか山奥の人気のない林道で思う存分危険な走りを味わえば良いわけだが、派手に走るところを人に見てもらわないと意味がないので、人が多く居る場所でしか走らない。
あるいは、あの迷惑な爆音が好きなのであれば、予め爆音を録音しておいて寝ながらヘッドホンで聞くとか、無人島の工事用道路とかで好きなだけ爆音を味わえばよいようにも思うのだが、それでは人に迷惑を掛けて悪ぶる姿を見せて目立つという本来の目的が達成できないからやらない。
一部の水上オートバイの方々にもそれに似た心理があるように思う。
「オラオラオラー!水遊びしてねえで俺たちのこともっとよく見ろや!カッコええだろうが!」みたいな幼稚なオーラが全身から滲み出ている。
本来、権利や自由は他者に迷惑を掛けない範囲内で成立するものなのだが、さてどうしたものか…
悪いけど、エリマキトカゲがエリを立てて走っているみたいでなんか哀れである。
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