なかなか面白かった。

 

いわゆる子持ち様論争というのがある。

 

社会的な優遇対象となっている「子を持つ親」を「子持ち様」と呼んでSNS上で揶揄する風潮やこれに関する賛否両論の状況を指す。

 

SNSでは「お子が発熱で子持ち様また休み。」とか「手当無しで子持ち様の穴埋め?」みたいな憤懣が発散されている。

 

 

 

しかし、こと職場に関して言えば、「なんか不公平だな…」と感じさせる人乃至状況は子持ち様には限らない。

 

専らオヤジがその震源地ということになるが、

 

たとえば、二日酔いでしょっちゅう遅刻し、来ても仕事をしている振りをして居眠りばかりしている「二日酔い様」

 

口先だけで部下に仕事を巧みに押し付ける「口八丁様」

 

あるいは、部下の手柄を自分の手柄にして上にゴマをする「ゴマすり様」

 

などなど。

 

ただ、これらに関する不満は余り顕在化して来なかった。

 

それは、これらのオヤジは結構奢ってくれたりするので、回りが上手く懐柔されていたからだと考えられる。

 

もしそうだとすると、実は子持ち様論争の底流には、「いつも迷惑かけてすいません」みたいにしてたまには菓子折りの一つでも持参すれば良いものを、当然のような顔をして休むなどする(それ自体は間違ってはいないが…)「気配りゼロの子持ち様」の存在があるのではないか。

 

 

 

また、子持ち様と二日酔い様等との間には、二日酔い様等はなろうと思えばいつでも誰でもなることができるが、子持ち様には誰でもなれるわけではない、という大きな違いがある。

 

この点も子持ち様論争特有の背景であると思われる。

 

「子ども欲しかったんだけどな…」そんな思いを抱いている人からすれば、リアル子持ち様は、お受験に成功した家庭みたいな妬みの対象であったりするだろう。

 

あるいは「DINKs」を選択した人たちからは、子持ち様は「好きで苦労しているんだから甘えないでよ。」みたいな存在に映っていてもおかしくない。

 

他方で、子育てと仕事を両立させてきた先輩子持ち様の多くは、現子持ち様を揶揄したりはせず、むしろ陰で応援している場合も少なくないだろう。

 

ちょっと場面は違うが、夏の盛りにグランドを走らされている運動部の様子をOBが見に来て、日陰でアイスなんか食べながら談笑していたとしても、現役選手たちが「OB様日陰でアイスだとさ。」などと揶揄することはない。

 

同じ苦労を共有していることがお互いよくわかるからだ。

 

 

 

いずれにしても、子持ち様論争は、そういった子どもを巡る複雑な心理が微妙に絡み合って生じている可能性があるだろう。

 

そうだとすると、要するに子持ち様論争とは、気配りができない唯我独尊の子持ち様と、子持ち様にならない(なれない)中で割を食っている同僚の皆さんの対立にほかならない、とも分析できる。

 

もちろん、そのような分析で問題を矮小化することは許されない。

 

双方の不満を能う限り和らげ、子持ち様も非子持ち様も共に気持ち良く働ける社会を作ることが国の責務であることは今さら言うまでもない。

 

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