馳星周「少年と犬」
地震が一つのテーマになっている。
昔、若い人たちに選挙や政治に関心をもってもらおうとして、テレビの政治討論番組をバラエティー番組紛いのものに仕立てていた時期があった。
テレビ受けする政治家は相応に人気を博し、勿論選挙でも票を集めた。
逆に、真面目なだけの政治家は、政治家としてはむしろ好ましいにもかかわらず、番組には呼ばれなくなっていった。
そのためある者は、テレビに出なければ選挙に当選できないと割り切り、テレビに魂を売って無理してお馬鹿さんを演じるようになったりした。
一時期流行ったこれら政治討論番組は、結局政治をバカにするだけで終わってしまい、若者の政治離れに一層拍車がかかってしまった。
テレビ局は視聴率稼ぎのために政治家を利用し、政治家は当選するためにテレビを利用しただけだったのである。
このような流れの中で、当選インタビューに際し「料亭に行ってみたい。」と公言するような阿呆が当選したりした一方で、志ある者は政治から距離を置くようになってしまった。
これらを見ていると、テレビが世の中を悪くしているとの側面があることはあながち否定できないと感じる。
テレビ亡国論が正論たるゆえんである。
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