初夏の浜
ネットでは、愚かで唯我独尊的なテレビ番組のことがちょくちょく話題になっている。
先日も、ペンギンの池で餌やりをしていたお笑いタレントが、スタジオから「落ちるなよ、落ちるなよ!」と敢えて声を掛ける司会者の心情を忖度し、大袈裟に池に落ちて顰蹙を買ったというお馬鹿丸出しの話が出ていた。
あまり言いたくはないが、テレビに出演する芸能人・お笑い芸人といった人種には、「自分たちこそが流行や娯楽の最先端を走っているのだ。」というような一種の思い上がりがあるように思う。
私のこのような考えは頑固ジジイになった今に始まったことではなく、昔からそのように思っていた。
婚活に励んでいた10数年前も勿論そうであった。
婚活中、難関私大を出てフジテレビに就職して番組制作に関わっていた30代の方とデートをしたことがあった。
彼女はすらっとした美人で教養もあり、話していても面白かった。
しかし、お酒が入ってきて話がテレビ番組の批評みたいな話題になってくると、私のテレビ批評に対して結構むきになって反論してきたりもした。
当然、彼女にはテレビ局に勤めている職業人としての大いなる矜持があった訳で、私のマスコミ批判的な話は彼女にとってはたぶん不快だったのであろう。
結局彼女とは次に会う約束をすることもなくデートを終えることとなった。
ただ、仮に彼女と交際が深まったとしても、テレビ番組を一緒に観る度に議論や衝突に発展したかもしれないから、結局はどこかで破綻していた可能性が高い。
私としては、「この番組ってどうなんだろうね?」みたいに一歩引いてテレビ番組を眺め、基本的には批判的な目で観てくれる人のほうがやっぱり話が合ったと思う。
とはいえ、結局のところはバラエティ番組が無批判に大好きな人と結婚してしまって今日に至っている。
まことに婚活は「帯に短し、襷に長し」である。
年の差夫婦