先日、都心部の地下鉄で最後部の車両に乗っていたら、同じ車両の一番後ろに乗って座っていた若いOL風の女性が嘔吐した。

 

車両は女性の座っているシートを含めて座席が9割がた埋まっており、立っている人もチラホラ居るという状況だったが、皆さん最初はどうして良いか判らずただ女性を見つめるばかりであった。

 

しかし程なくして、まず、優しそうなおばちゃんが女性にハンカチを差し出し、次いで若いサラリーマン風の人もティッシュを女性に渡した。

 

しかしその後皆さん様子を見守るだけであったため、ちょっと離れたところに座っていた私は、どうすべきか一瞬思案した。

 

そしてまず、女性の近くには車掌席があり車掌が居るはずだと思って車掌席に向かった。

 

ところがこういう時に限ってワンマン運転をしており車掌は居なかった。

 

そうだ、緊急連絡のボタンがあったはずだ、と思い直し、再び車両内を移動して、車両中央付近にあったSOSのボタンを生れて初めて押してみた。

 

何回かのコールの後、「はい、運転席です。」との応答があったので、最後部の車両の最後部の席で女性が嘔吐した旨てみじかに報告した。

 

運転手さんは「はい、わかりました。」と応答してくれた.

 

この間、乗客の皆さんはじっと私の一挙手一投足に目を向けていたようであったが、そのSOSボタンのところに座っていた若い女子大生風の女は、私がボタンを押すために彼女の席に少し覆いかぶさるようになっているのを見て、露骨に嫌そうな顔をした。

 

 

次の停車駅ではホームに女性の駅員さんが待機しており、嘔吐した女性はハンカチを差し出してくれた親切なおばちゃんに抱えられるようにして下車した。

 

 

 

しかしそれにしても、暇そうな若い男女も含めて多くの乗客が乗り合わせていたのに、何らかの行動に出たのは私を含めて3名だけであった。

 

咄嗟のことで何をどうして良いか判らなかった、というのはあると思うが、すぐ横に座っていた若者など、気付かない振りをして(たぶん)スマホをずっといじっていた。

 

結婚相手にどんな人を選ぶべきか、こんなとき案外良く分かるかもな、なんて思ったりした。

 

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