重松清の「かぞえきれない星の、その次の星」を読んだ。
本の中にはコロナ禍の小学校を描いた短編も含まれており、割合新しい発刊である。
中に、虐待などで命を落とした子どもが天国に向かう途中で立ち寄る、星空の見える高原のような場所の物語があった。
虐待などで心と体に傷を負って天国に向かうことになった子どもは、その星空の見える場所で必ず一旦下車し、心と体の傷が癒えるまで、謎のおじさんに導かれて時間を過ごす。
ある男の子は、親の虐待で背中に傷を残したまま命を落とし、その場所にやって来た。
男の子は、背中の傷が消えてなくなるまで謎のおじさんと星空を眺めて過ごす。
やがて時が経って背中の傷が癒えた頃、男の子は小父さんに別れを言って列車に乗りこみ、天国へ旅立つ。
列車からは男の子と入れ替わりに、心と体に傷を負って命を落とした別の子どもが下車してくる。
その子どももまた、謎のおじさんと星空を眺め、傷が癒えるのを待つ。
ユーミンの歌に「コンパートメント」という何とも言えない歌がある。
死に向かう人たちが乗りこむ列車を描いた歌だ。
重松清の上記短編を読んだとき、ユーミンの歌「コンパートメント」が頭を過った。
虐待のニュースを見聞すると、重松清の新しい短編集とユーミンのコンパートメントが頭に浮かぶようになった。
「かぞえきれない星の、その次の星」、もしよろしければ一度手に取ってみてください。
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