近所の畑
ラグビーワールドカップ日本大会でジャパンが快進撃を見せてから、新聞やテレビでは毎日のようにラグビーに関する情報が流されるようになった。
今年の新語・流行語大賞にも、ラグビー日本代表が掲げた「ONE TEAM」が選ばれた。
オールドファンとしては嬉しい限りである。
10年くらい前まで、いわゆる2ちゃんねるなどのインターネット掲示板では、日本代表に外国人を入れることの是非をテーマにした罵り合いのような議論がよく見られた。
しかし、今回のワールドカップ日本大会を切っ掛けにして、ラグビーの代表資格やその根底にあるラグビーの歴史・発展経過などに関する情報が浸透したことにより、そして何よりも「ONE TEAM」を標榜したジャパンが泣く子も黙るような快進撃を見せたことにより、「日本代表は日本人だけで構成されるべきだ。」という主張は影を潜めた。
今回のラグビーワールドカップ日本大会におけるジャパンの快進撃の裏には、一種の寄せ鍋効果があったのではないかと思う。
今回も、ジャパンのラグビーに共感した各国選手が日本代表となる道を選択し、それぞれのラグビースタイルをジャパンに持ち込んだ。
それが日本的な真面目さ・ひたむきさと融合して、強さと柔軟性を兼ね備えた新しいジャパンの味を作り出した。
いわゆる寄せ鍋ジャパンの誕生である。
それはもちろん、湯豆腐もふろふき大根も美味しいが、それはそれとして、寄せ鍋が作り出す複合・混合の味はやはり捨て難い。
今回「ONE TEAM」となったラグビー日本代表の寄せ鍋は、南海の島国のスパイスや肉類・魚介類にキムチなどがミックスされて、独自の新しい味を作り出していた。
もちろんそこには排外的な思想は微塵もなかった。
それゆえにまた、その味には美味さのみならず力強さや爽やかさがあった。
現在世界は、選挙での得票を意識して大衆に迎合した目先の自国愛ばかりを標榜する先見性のない政治家たちによって、新たな危機に晒されている。
現今の政治家魑魅魍魎は寄せ鍋ジャパンから学ぶべきである。