事故の日の事 | 本多真弓のブログ

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毎日のいろいろを書きたいと思います。
芝居、仕事、息子など

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2年前に交通事故にあって以来、
考え方や興味が随分変わりました。

あの事故から私の中でいろんな事が新しく動き出している。



テレビのニュースで、よく似た事故が報道されるとつい、死亡人数や、生存人数を確認してしまう。

死亡するよね。
私たちは、本当についていたんだ。
死んでたかもしれない。
いつも思う。

事故の時、隣で気絶していた息子の姿が、
今でも頭から離れない。
頭が大きく腫れ上がり、目が青く膨れあがって、意識がない。

「助けてください!!」
「息子を助けてください!!」

この言葉しか口から出て来なかったんだけど、
ひたすら叫び続けました。
口が止まらないの。
とにかく叫び続けた。

人が集まってきて、息子を抱き抱えてくれる人。
私は身体が全く動かなくて、
なんとか息子を見て
手を伸ばし、息子の小さな手を握った。

お願い、死なないで。誰か助けてください。誰か助けてください。
心の中で何回も言った。

息子の名前を何回も叫ぶと
それまで呼吸をしていなかったのか、
大きく「ふぅっ!」と
まるで水の中から出てきたように、
息を吐き、大きな声で泣き出した。

「おかーさん!おかーさん!!」

息を吹き返した息子はひたすら
私を呼んだ。

生きてる。私も息子も生きてる。
きっとどうにかなる。

「大丈夫だからね!絶対大丈夫だから!!」

私は息子の手をぎゅっと握りしめた。

救急隊が来て、息子が運ばれた。
おかーさん!と叫び声が響き渡る。

辛いけど、生きててくれれば、
必ずまた会える。
と、自分に言い聞かせた。


しかし、どれくらい骨折れちゃったんだろう、、、
と思うくらい、上半身が全く動かない。
救急隊の人に身体を動かされる度に激痛で叫び声をあげる。
なんとかタンカーに乗り、病院に運ばれた。


病院に着くと、
「ここは病院です!安心してくださいね!」
と複数の看護師に声をかけてもらう。

診察室に入ると、
着ていた服をハサミで切られ、
全身裸にされた。

身体中痛いけど、
沢山の医者や看護師に囲まれ、
まっ裸でタンカーに寝かされ検査を受けるのは
とても屈辱的な事だった。
なんでこんな、、、
頭は正気なのに、身体は全く動かない。

悪い事した人みたいだ。
そう思った。

「すみません、寒いんですけど」

少し怒ったような口調になった事を覚えています。
すぐに女性の看護師が来て、タオルケットをかけてくれて、
そのままCTを取りに移動した。

医者にとったら、怪我を確認する為に裸にしただけなんだけど、
わかってるんだけど、
なんかとても、その時は辛かったんだよね。


呼吸が苦しくて、うまくしゃべれない。
ロレツも何故か回らない。
全身がひたすら痛い。
いつまでこの痛みは続くんだろう、、
途方にくれる。


検査の検査は、肋骨14ヶ所、背骨3ヶ所、
右鎖骨を骨折していた。

鎖骨はかなり折れて、折れた所が離れすぎていて、
手術した方が良かったみたいだけど、
背骨が折れていたので、
背骨を優先するとの事で、
温存療法となった。

丸2日痛みと戦った。
痛すぎて、麻薬をうってもらった。
副作用で吐いた。

痛くて痛くて気絶するように眠る。
目が醒めるとたった5分しか過ぎてない。


こんなに時間が過ぎるのが長く感じた事はなかった。
早く時間が過ぎてほしい。


息をする度に、折れた肋骨が動いて痛かった。

一人ぼっちで入院している息子を思った。

寂しいだろうな。


事故の翌朝に事故を知り、
すぐにマネージャーさんと、
真理さんと、ほりすみが駆けつけてくれた。
意識は朦朧としていたけど、
なんだかすごく安心した。

主人が旅公演中でいなかったので、
義母と義弟、義姉が来てくれた。
息子をお願いします。
寂しいと思うから、ポケモンのぬいぐるみを買って持って行ってほしいとお願いした。


事故にあったのは、私の母と妹、息子と私の4人。

家族がいっぺんに事故にあうと、残された家族が大変です。
弟と姉は大忙し。
父は辛くて、いつもの飲み屋で途方に暮れてた様です。←飲み屋のママに聞いた話。笑


そして、私の入院生活は、
大岩真理さんが身の回りのお世話をしてくれて、守られていました。


あれから、2年たっても、
いろいろはっきり覚えている。
忘れちゃいけないしね。

頭から映像が消えない。
感触や感情もはっきり覚えてる。


あの事故を噛み締めながら、
今は生きてます。
あの時死んでしまっていたら、
今はないのだから。


いろんな事が一気に吹き飛んで、
あまりクヨクヨしなくなったかも。

今確かな事は、生きている事。
命ある限り、しっかり生きたい。



今日は病院に来ています。
整形外科での定期健診やリハビリは、
1年半で終わり、症状固定となりました。

今は、総合内科で、その後調子が悪い所を診てもらっています。


後遺障害が少し残りました。
その他いろいろね、
時間かかりそうだけど、
心は元気だし、
先生には、症状固定と言われたけど、
まだまだ良くなると思うの。
完全には戻らないとは思うけど、
もっと良くなるはず!!

意外にポジティブな自分も知れました。


病院にね、今自転車で通ってるんだけど、
30分くらいかかるの。
道も車の通りが多くて、なんだか面倒くさい。

でも私が入院中、毎日病院にお見舞いに来てくれた真理さんは、30分かけて
この道を2月の寒い最中、毎日自転車で通ってくれたんだな、、、と思うと泣けてくる。
本当にありがとう。
心から思う。

沢山の人に感謝。
生きている事に感謝。

息子が生きてくれた事に感謝。

今、結構幸せです。