374)タイトル:給食が教えてくれたこと 著:松丸奨 出版社:くもん出版 | クレクス先生の児童書ナビブログ

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とある小学校の図書館で司書をしています。
仕事で出会った素敵な絵本や児童書の中からオススメの本を紹介したいと思います。
(たまに児童書以外も紹介します。)

 この本の著者は、小学校の給食を作る現役の栄養士さんである、松丸奨さん。学校栄養士になろうと思ったきっかけや、ご自身の小学校時代のこと、職場である小学校の子どもたちへの思いなど、とても素直に綴られています。

 読んでいて驚いたのは、松丸さんの「おいしい給食を作りたい!」という情熱です。安くて美味しい野菜を仕入れるため、八百屋さんが学校に野菜を届けれくれる朝5時に学校にいて、八百屋さんと直接お話することで情報収集。胃もたれしない揚げパンを目指して自宅で100個の試作。おいしいラーメンを給食で再現するために、研究に研究を重ねる。そしてその情熱は実を結び、「全国学校給食甲子園」で2,266校の頂点に立つことになります。

 学校栄養士さんの仕事や、給食の調理員さんのお仕事を知ることができるのはもちろんですが、仕事におけるジェンダーのことや、学校の教室以外の子どもの居場所について、世界の子ども食事情、コロナ禍での給食などなど、考えさせられることがたくさんある1冊でした。

 私も小学校が職場のため、毎日給食にお世話になっていますが、学校栄養士さんについて、そして給食について知らないことばかりでした。給食を日々食べている少・中学生におすすめしたいのはもちろんですが、学校に勤務している教職員のみなさんにもぜひ読んでもらいたいと思いました。毎日栄養士さんが手間暇をかけてくださっていることをかみしめながら、感謝しながら給食をいただこうと思います。学校栄養士さん、いつもありがとうございます!!!