153)タイトル:おいしゃさんがこどもだったとき 文:中川ひろたか 出版社:保育者 | クレクス先生の児童書ナビブログ

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とある小学校の図書館で司書をしています。
仕事で出会った素敵な絵本や児童書の中からオススメの本を紹介したいと思います。
(たまに児童書以外も紹介します。)

 小児科の「たぬきせんせい」こと、きぬたこうたろう先生は、子どもの頃お医者さんが大嫌いでした。理由は、「嫌な事ばっかりするから」!!しかし、高熱が続きしぶしぶ病院に行くことになりますが…

 読み聞かせに使いましたが、発熱して病院に行くというとても身近な題材と、丸山誠司さんのユーモラスな絵もあいまって、子どもたちがあっという間に絵本の世界へ引き込まれていくのを感じました。小さなこうたろうくんが「お医者さんの嫌なところ」を上げる場面があるのですが、聴き手の子ども達がみんなが「わかるわかる!!」「オレは全然平気~」など、反応しながら聴いてくれました。共感しながら、ちょっぴりハラハラして、笑って…と、とても豊かな時間を楽しむことができる1冊だと思います。大人目線で「…で、あなたは将来何になる?」と詰問(!?)する流れにはせず、周りの大人の「子ども時代」を聞くきっかけにしてもらいたいな、と感じた1冊でした。低学年から。

※読み聞かせ所要時間:約6分