139)タイトル:兄ちゃんは戦国武将! 作:佐々木ひとみ 出版社:くもん出版 | クレクス先生の児童書ナビブログ

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とある小学校の図書館で司書をしています。
仕事で出会った素敵な絵本や児童書の中からオススメの本を紹介したいと思います。
(たまに児童書以外も紹介します。)

 小学5年生の春樹には、11歳年上のお兄ちゃん、夏樹がいる。本当は、大学を卒業して家に帰ってくるはずだったのに、大学を勝手にやめて自分の好きなことをしているらしい。自分だけ取り残されてしまったように感じている春樹のもとに、お兄ちゃんから手紙が届いた。そこには「杜乃武将隊 伊達政宗こと 檜山夏樹」との名前が。お兄ちゃんをとっちめるため、家族を代表して仙台へ向かう春樹。その春樹が見たものは、伊達政宗の甲冑に身を包んだお兄ちゃんだった!!

 実在の仙台の観光PRをしている「奥州・仙台おもてなし集団 伊達武将隊」をモデルにしたお話です。はじめは「コスプレして、ちやほやされて、いい気になって、そんな兄ちゃん見てられないよ!!」と否定的な見方しかできない春樹でしたが、東日本大震災の話を聞いたり、宮城県に住む水沢さんと孫の美咲との関わる中で、少しずつ春樹の心境に変化が現れます。お兄ちゃんの「一生懸命」は、仙台の人達を、そして仙台に来た人たちを巻きこんで、前を向くパワーを生み出しています。被災地の支援の方法は1つではないことにも気づかされる1冊でした。そして、伊達武将隊を応援しに、仙台まで行きたくなりました!高学年以上。