学生時代に買いそろえた本は
・大江健三郎・吉本隆明・柳宗悦でしたが、
シリーズとして購入をしていたのは、
新潮社の「純文学書下ろし」になります。

その中で1番の出会いは
大江健三郎の「個人的な体験」よりも
安部公房の「砂の女」でした。

安部公房の作品群の評価は当時からも高く、
川端康成→三島由紀夫→阿部公房の順で、
ノーベル文学賞を受賞するともいわれていました。

友人たちの話題も触れることもあり、
「他人の顔」を購入して読みましたが
私にはは難解すぎて途中で読むことは挫折しています。

私には敷居の高い作家になってしまいましたが、
「砂の女」は一気に読み切るほど夢中になりました。

「純文学書きおろし」=インテリへの登龍的な印象があり、
書棚に並べるが如く購入をしましたが
読み始めると
自身が投影されるが如く
作中に引き込まれていきました。

作品は映画化がされており、
名画座「銀座文化」でATGの作品と同時上映された時に
鑑賞をしましたで。

当時の背伸び小僧には
勅使河原宏監督によりモノクロで撮影された作品は
衝撃的でした。

DVDなどで今でも鑑賞できますが、

天井が低く、狭く薄暗く、ぼろい館内。
スクリーンだけが中途半端に大きく
息苦しささえ感じさせる映画館でしたので
より不快感の残る感動を与えてくれたものだと
思います。


上映が始まると
離席することが許されないような雰囲気の
場末の映画館で
閉塞感を感じながら不快な時間を過ごすことは
もう二度とこないと思います。