生きづらさとは | 鞍手ゆたか福祉会スタッフブログ

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鞍手ゆたか福祉会は、福岡県鞍手町を拠点に、直方市、宮若市、行橋市、北九州市、福岡市、宇美町、長崎県大村市、
東京都新宿区で障碍者や高齢者の支援を行っている社会福祉法人です。

鞍手ゆたか福祉会に入職し、カレッジ福岡で働き始めて

早いもので丸二年が経とうとしています。

一年目は日々のルーティンをこなし、授業づくりや学生対応で精いっぱいでしたびっくり

二年目になってからは、少し余裕もでき、自分自身の支援の在り方を

日々考察、改善を心掛け過ごしています。

(といっても、まだまだ至らない点だらけですが・・あせる)

 

さて、昨年の11月、韓国のナザレ大学へ研修に行かせていただきました。

 

韓国のことばについては「カムサハムニダ(ありがとう)」「マシッソヨ(美味しいです)」

程度しか知らない私です。

それでも韓国には、学生時代に数回行ったことがあり、

久々の異国の地を楽しみに現地へと到着したのでした。

 

ナザレ大学の職員の皆さまや、学生さん達がとてもよくして下さり、

研修は意義のあるものとなりました。

研修での学びについては、ぜひ報告書をご覧ください。

アップhttp://kyf-college.blog.jp/nazareuniv3.pdf

 

 

研修も終わりほっと一息。さあタクシーに乗って宿へと向かおう!

タクシー数台での移動です。女性陣4人で、後続のタクシーへ乗り込みました。

「ロワジールホテルまで」

横文字の名前のホテルですし、きっと通じるだろうと思っていました。

しかしタクシーの運転手から返ってきたことばは、

「○×△○・・・!?」

通じていないことはすぐに分かりました。

私たちは何回も、発音を変えてみたり、文字を見せたり・・

どうにか伝わってほしいと懸命でした。

私たちの思いとはうらはら、

運転手さんはどんどん不機嫌な様子になっていきました。

この時、「どうしよう・・・怖い。」「言葉が通じればいいのに・・誰か助けて」

こう思っている自分がいました。

宿泊先のホテルの番号を見せると、運転手さんが連絡を取ってくださり

私たちは何とかホテルに着くことができました。

先に着いていた職員皆さんの顔が見えたとき、とてもほっとしたことを覚えています。

 

「ああ、よかった」と思うと同時に、

日本にいる学生のことが頭に浮かびました。

 

カレッジで学び、いずれは自立していく学生。

保護者やご本人のニーズも自立へと向かっています。

カレッジ支援教員二年目の私は、学生に対して

「自分から援助を求められるようになってほしい。

その手段を身に着けてほしい」

と思い、声掛けや支援を行ってきました。

時には厳しめに声掛けすることもありました。

 

他者に援助を求めることが、どれだけ勇気がいることか。
自分の気持ちが伝わらない時、どれほどの孤独を感じているか。

障碍がある方は”社会との間に生きづらさを感じている

当然のように分かっていた(つもりでいた)はずなのに、

自分が経験して改めて、その苦しさを実感したのでした。

 

私が体験した海外での不自由さ。
障碍がある方のそれと、海外での体験はもちろん性質の違うものであり
一緒に考えることはできません。

私の体験は一瞬で終わりましたが、障碍がある方の”生きづらさ”は

そうではない。

同じ日本にいるのにも、かかわらずです。

 

障碍がある方へのアプローチと同じように、

社会へもアプローチをしていかなくてはならない。

生きづらさを感じている学生のそれは、

私たち支援者の想像をはるかに超えたものである。

支援をする上で、それを十分に理解しておく必要がある。

 

福祉の道へ進もうと決意し3年。

社会福祉に関わる者として、初心に戻った出来事でした。

 

 

カレッジ福岡 定宗

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