リヤドロで少し洋風の記事が続きましたので、
今回からは近頃テレビ番組でも取り上げられている有田焼の名門窯
酒井田柿右衛門窯について書いていこうと思います。
歴史ある有田焼の窯元としてまず名の挙がる柿右衛門。
初代柿右衛門は、乳白色の素地に赤を基調とした上絵付けをする
「柿右衛門様式」を確立しました。
マイセン シノワズリ 柿右衛門様式 御所車花模様
カップ & ソーサー プレート トリオ セット ※販売済み
柿右衛門の話をしていたのに突然マイセン!?
と思いますが、柿右衛門のすごさを説明するのには
マイセンの話をするのが一番手っ取り早いのです。
今から約300年前、オランダ東インド会社によって輸出された磁器に
ヨーロッパの人々が憧れを抱いていた頃、
その中でも特に評価され、ヨーロッパの王侯貴族たちが
こぞって集めたのがこの柿右衛門様式。
ヨーロッパではじめて白磁を生み出したマイセンですが、
良く知られている「インドの華」は柿右衛門の作品の写しというから驚き。
(ちなみにその写しの写しにあたるのがヘレンドのインドの華)
ヘレンド インドの華 カップ & ソーサー 17,280円
そして、この頃の花模様というと上の写真に見られるような
東洋から持ち込まれた模様化された花がほとんど。
これがヘレンドやマイセンのフラワーシリーズに見られる
写実的でまるで生花のような絵付けになるのはここから100年以上あとのこと。
マイセン ベーシックフラワー 菱形ディッシュ 32,400円
それ以前はヨーロッパには東洋風の花模様しかなかったと考えるとすごいことですよね!
話は柿右衛門に戻って、
そもそも日本国内外に有田焼 柿右衛門の名前を知らしめたのは、
柿右衛門の「赤」の美しさでしょう。
それまでの有田焼には青色の絵付けしかなかったのですから。
この「赤」は壷の中に水を張って、
鉄から塩分を抜くことを長年繰り返して作られるそうですが、
今なお、当代の柿右衛門に就任したものにしか調合を許されない秘伝の染料なのです。
なんでも鉄から塩分が抜けきっていないと、
焼成後に白く濁ってしまうそう。
機械化が進んだ現代では、非常に手間のかかるこの作業を
今でも手仕事でしているという窯は他に見ません。
また歴代の柿右衛門のなかでは微妙な色の違いがあるといわれており、
現在、比較的流通の多い十四代の「赤」は最も美しいと言われております。
十四代 酒井田柿右衛門 錦梅文 皿 16,200円
そして柿右衛門は『赤』と並んで『濁し手』でも有名ですよね!
その『濁し手』については次の記事で
→由緒ある有田焼窯 ~酒井田柿右衛門~ 「濁手(にごしで)」