男の名前は蔵馬。
比較的裕福な家庭に生まれ、
恵まれた環境下で恋愛も含め、
何ひとつ不自由のない高校生活を送る。

が、希望大学への進学が決まった直後、
人生の暗転が始まった。
父親の事業の失敗··家財の差押え。
自分の机やPCまでも借金の肩に持ち去られる現実を目の前にし、全てに絶望した彼は捨て台詞と共に親の元を去る。

今となって思い返すと、
これ以上親に負担をかけたくない気持ちだったのかもしれない と蔵馬は俯いて呟く。

転がり込んだ友人宅で仕事探しを始めるが
高卒という最終学歴が職種の幅を狭める事に気付き、アルバイトをしながら奨学金制度を利用して短大を卒業。
なんとか希望の就職先を決めるも、
更なる試練に愕然とする。

数百万の奨学金は結局借金でしかないという事実。
給料からの天引で地道に返済しなければならない。

「奨学金返済だって··?
家賃 通信費 光熱費 住民税 所得税 生活品雑費
食費だってかかる訳だし··理髪も必要だろ!
更に在宅させてくれた友人への返礼
毎月毎月 一体自分の手元に幾ら残るんだ!」

「そうか仕事を頑張って稼げばいいんだ!
いや違う··」「違う··」

人間は追い詰められると覚醒する事がある。
彼は気付いてしまった。物事の本質に··!

その後 蔵馬は奨学金を僅か2年で完済してしまう。
更に現在2500万円超の資産まで構築するに至る。



これはある男性からの自白を元に
私 倉科まりもが僅かに脚色して書き上げた
事実の物語。

不定期更新(つづく)