夫が退職した


いつかは来る日だと思ってはいたけど…


案外拍子抜けするくらいな感じで、アッサリと、その日はやってきた


それもそのはず

翌日からは同じ場所にシニア雇用働きに行くから



結婚した頃に、定年退職する時には

社長との懇親会があり、その時には奥さんも留め袖を着て、一緒に食事をすると聞いていた


社員数二万人の会社でそんなことをするのは凄いなと

そして定年まで無事に働けたことを支えてくれた奥さんも含めて慰労してくれるなんてスゴイな!と


ボーナス月の明細の入った袋にはいつも社長さんのメッセージが添えられており、それを読むのが楽しみだった

そこには、家族に向けての言葉も添えられていたから


何回かの社長交代で家族向けメッセージがないときもあったけど


国の主導により、夫の部門は、会社から切り離され、

全く別の会社となり


会社から借りていた住宅ローンは、3ヶ月ほどの猶予で、全額返済を求められた


夫は会社を辞めたわけでもないのに…

異動に応じただけなのに…


夫婦揃ってショッㇰだったなぁ〜あの時は…


で、新しい会社になり、当然いろんなことが変わる



設立間もないグローバルな視点を大切にする新会社なので

当然、年功序列もないし

定年退職を囲む会なんてものはありゃしない


翌日からも同じ場所に同じ仕事で、働きに行くんだし、週の半ばで月末を迎えるため

お互いに、そう淡々と思っていたのだが




退職の日、玄関先で三つ指ついてお出迎えした私は、大きな花束💐を抱えて帰宅した夫の姿にびっくり仰天


アチラも私の姿にびっくり仰天


2人ともちょっと固まる笑い泣き



この春に単身赴任を終え、今の部署はまだ3ヶ月ほど

それでも花束💐を頂けたことにちょっと安堵する私

(皆さんとそれなりにやれてるんだなぁなんてね)


「ホントに花束💐もらうんだね!退職する人って」と驚くと



あ!これ?

希望者には会社が半額出してくれるから、頼んだ、と




会社も花束ぐらい全額出してくれよ!と腹が立つ一方で


私のために注文したんだなぁという想いと


会社が半額負担するから買ったんだろうな

ハナから自分で花屋に行ってまでは買ってこないだろうな


この半々の気持ちで、喜べは良いのか

喜べないのかワカラナイキョロキョロ


家族からはいろいろプレゼントしてもらった夫だが


長年の妻への慰労はこの花束以外にはない


花束半額分の感謝程度なんだなぁ