読書感想「くらしのための料理学」 | 緑を泳いで

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北国での暮らしの日々を綴ります。

NHK出版 学びのきほん

『くらしのための料理学』

土井善晴著

 

 

 

 

2時間で読めると書かれているNHK出版、学びのきほんシリーズ。

土井善晴先生のものを。

料理はたいへん、という凝り固まった考えを毎度解きほぐしてくれるのが土井先生。

 

そもそも日々しなければならない「料理」とは何かから解析してくれる。

古来より、料理とは、食べられないものを、食べられるようにすることです

そして、人間とは切っては切れないものであることも。

人間は伝統の良き食べ物によって健全な遺伝がおこなわれる

じゃあ、なぜ料理を辛いと思ってしまうのか?それに対する土井先生の答えがこれです。

「ちゃんとしよう」と思わないなら、お料理なんてしようと思いません

ちゃんとしないといけないものだから、料理をするのが辛いのです。手抜料理でごまかすのがしんどいのです。

手抜きなんて言葉を使って自分や家族を傷つけて欲しくない

そこで私が勧めたいのは、手を抜くのではなく、「要領よくやる」「力を抜く」ことです。

毎日のことですから、無理をしないことが大事です。全力の5~6割でいいと思います。食後のお腹の満足感も、ほんとうは7割くらいでいいでしょう。

自分は「めんどうくさがり屋」だと、自分にレッテルを貼ると、動けなくなってしまいます。そこから脱出するために「めんどう」という言葉を使わないと決める。すると、案外めんどうではなくなります。

ありがとう、土井先生!!てなわけです。

 

土井先生の基本的スタンスは

家庭料理をしている人を尊敬する

そうして本を書いてくれるのもうれしいものです。

どうしてわたしの気持ちをわかってくれるのだろう!と思わずにはいられない。

あくまでもこちら側に立って、「こうしてみようや」といてくれるのがすごくうれしかったりする。

 

別個で、面白いと思った概念はこちら。

「ケ」は日常というよりも「弔い」を意味するものであって、日常とは「ケ」と「ハレ」の間にあるものです。

「ケ」って日常じゃなかったのか…。

 

料理がつらくなったらまた土井先生のところに戻ってきたい。