◎総合編
今回はベスト3ということで3冊しか選べなかったので、泣く泣く外さざるを得なかった本も多かったですが、何とか選んでみました。
第3位:早川理恵子『インド太平洋開拓史―2つの海の交わり』(明成社 2020年)
江崎先生がFBで紹介されていた1冊。
本自体は薄いですが内容は非常に濃く、日本の安全保障に関心のある人は是非本書の内容を押さえておきたいところで、必読書だと思います。
また、本書と関連したところで、内藤陽介『日本人に忘れられた ガダルカナル島の近現代史』(扶桑社 2020年)や江崎道朗・福島香織・宮脇淳子『米中ソに翻弄されたアジア史 カンボジアで考えた日本の対アジア戦略』併せても読んでおきたいところ。
第2位: 安達誠司『脱デフレの歴史分析 「政策レジーム」転換でたどる近代日本』(藤原書店 2006年)
日銀審議委員になられた安達誠司先生の名著。
日本が未だにデフレから抜け出せない原因を知ることができます。
デフレから抜け出すために、ひいては日本が世界で生き残ることができる国になるにはどうすればいいかを考える際に非常に参考になる1冊。
第1位:A.V.ダイシー著 伊藤正己 田島裕 共訳『憲法序説』(学陽書房 1983年)
バジョット『英国憲政論』とともに、イギリス憲法のみならず憲法に関心のある人は必読の書です。
といって、私もまだ1回しか読んでおらず、もっともっと勉強しなければならないと思わされました。
順序としては『英国憲政論』が先ですが、『憲法序説』をきちんと理解できるようになれば、憲法というものの見え方・理解が違ってくるのではないかと思います。
いずれまたきちんと読みたいです。
◎チャンネルくららレギュラー陣編
チャンネルくららレギュラー陣の先生方の著書はいずれも非常に勉強になるので選定に非常に悩みましたが、何とか選んでみました。
第3位: 渡瀬裕哉『税金下げろ、規制をなくせ 日本経済復活の処方箋』(光文社新書 2020年)
生まれてこの方ずっと経済的に苦しい状況で生きてきた身としては、同じような境遇の人に一人でも多く読んでほしい、と思った1冊。
自分たちの力で世の中は変えられるんだ、と気づき、行動に移す人たちを増やしていきたいです。
第2位: 海上知明『本当は誤解だらけの戦国合戦史 信長・秀吉・家康は凡将だった』(徳間書店 2020年)
海上先生のご著書はいつも目から鱗で、戦国時代も軍事も非常に興味のある人間としてはとても勉強になりますが、本書も「なるほど確かに言われてみればそうだよな」と思わされることの連続でした。
もっと軍事を勉強して、いつか海上先生のような分析を自分なりにできるようになれればいいかな、と思っています。
第1位:倉山満『新装版 お役所仕事の大東亜戦争 いまだに自立できない日本の病巣』(マキノ出版 2020年)
私にとっては本書は外せない1冊。
職場にもお役所仕事があふれかえっていて、いつもげんなりしています。
官僚機構もそうですが、まずは身近な会社内のお役所仕事体質を何とかして、もう少しみんな(特に現場の人達)が働きやすい職場環境を作れないものか、と思っています。
◎冬休み課題図書(仕事柄冬休みの時期は繁忙期なので読了できるかどうか分かりませんが…)
・平間洋一『第一次世界大戦と日本海軍―外交と軍事の連接』(慶応義塾大学出版会 1998年)
平間先生のご著書はどれも非常に勉強になりますが、本書は日本人にはあまりなじみのない第一次世界大戦について取り上げられており、平間先生のご著書の中でも名著と評判の高い1冊。