倉山満『ウッドロー・ウィルソン 全世界を不幸にした大悪魔』(PHP新書 2020年)読了。
正真正銘の狂人である。
これまでも複数の塾長の著書で筆誅が加えられてきた人物だったので、いかに危険な人物であるかは知っていたが、少しその見立ては甘かった。
これほどの狂人とは…。
心に神の恩寵のしるしが現れはじめたり、世界大戦でヨーロッパが殺し合いをしている最中に、未亡人と恋に落ちて幸せいっぱいになったり…
極めつけは、自分がキリストであると本気で思っていたこと。
普通の人間には全くもって理解不能である。
いや、理解できるわけがない。
そんな狂人の言動で、世界中のどれだけの人が不幸になったのだろうか…。
日本も未だに甚大な被害を蒙り続けている。
そこでふと思った。
「ウィルソンも大悪魔だが、宮澤俊義も大悪魔。ウィルソンは完全に頭がイカれているのに対して、宮澤は確信犯。質は違うが、双方とも極めて悪質。日本にとって果たしてどちらがより程度が悪いのだろうか?」
現在の日本に及ぼしている影響を考えると、どちらも非常に深刻で根深いものがある。
共産主義を世界中に撒き散らす、民族自決を高らかに宣言し現在に至るまでの民族紛争の種を世界中に扶植する、など全世界へ与え続けている影響という点では完全にウィルソンだろう。
しかし、日本に限って言えば、宮澤の呪いもまた深刻。
我々はウィルソンと宮澤の二つの強力な呪いを解かなければならない。
そのために日々呪いを解く力をつけるべく精進しなければならない。
それを痛切に感じた1冊である。