アバター3D
御存知「タイタニック」のジェイムズ・キャメロン監督が満を持して送るエピック・アクション・アドベンチャー(なにそれ)。様するにSF。惑星パンドラに降り立った元海兵隊員ジェイク葛藤と愛と成長が、美しい3Dの世界舞台に描かれている。構想14年、製作4年の大作。
鑑賞日:2010/02/20(土)
劇場:TOHOシネマズ 日劇
純粋に映画の内容、つまり物語という部分だけなら★3つがいいとこですが、それに様々な要素を絡めて★4つにしてみました。
良い意味で何もかもパターンな映画。未開の種族と侵略者との関係も葛藤も、SFとしての各演出も、主人公の成長も、現地種族のヒロインとの恋愛も、すべて何もかもどっかで観たパターン。
でもそれが悪いって言ってるんじゃなくて、映画って文化はもう完璧に新しいパターンじゃないものを作るのは不可能に近いと思ってるので、それをどういう風に上手く見せてくれるか?が大切だと思います。そういう意味では、パターンにうんざりさせる事なく上手く見せてくている。
そこらへん流石にジェイムズ・キャメロンっていう感じ。
タイトルに表記した通りに3Dの方を観たのですが、ちょっと構えてた割に全然気持ち悪いとかなかった。
いい加減日本人は日本の美しくも繊細かつ最先端のゲームの3D画像で目が肥えて&慣れて、今さらこの映画くらいの3Dで酔うとか大げさに感動するとかって程じゃないのかも。
いろんなトコで「○○からインスパイアを受けている」的な事を言われてますが、そう言いたくなるのは否定できない位、日本人ならいろいろ思い当たるフシがある感じです。
某FFとかモ●ハンとかジブ●とか、他にもいろいろ・・・(^_^;)
でも!それが楽しいと思うんだよ!少なくとも私は楽しめた。
映画を観るときには、その世界に連れ込んでくれるか!?というのが一つの大きな期待である私にとっては、そこの世界に入りこませてくれるという意味で、ここは断然プラスポイントです。
それにしても、これの続きって・・・主人公の両方にまたがった立場がキーポイントだと思うんだけど、それがなくなったら、単なる地球に侵略者が攻めてくるパターン、但し今回は地球人が侵略者だよ!?っていうだけの話になるだけじゃないの?
構想14年もかけてるんだから素人がどーのこーの言う事じゃないかもしれませんが、ここで終っといたら良かったってならないようにして頂きたいですね。期待してますよ!(パンダ)
ストーリー自体はとても無邪気なハッピーエンド物語でした。
なんか、無邪気っていうと語弊があるかな。ご都合主義?もっと悪いか?(笑)まぁとにかく、あらすじだけ抜書きすると却って未見の方の興味を殺ぐような類の、筋だけ追えばね、あくまで、そういうざっくりした筋書きでした。
でも、映画って別にあらすじが全てではありませんしね。
なにしろこの映画は完全CGによる異世界描写と、それに3Dが何よりのウリでしょうし。
まぁ、とはいえ、ディズニーランドのアトラクション的な「立体映像!」を期待していくと、それはそれで肩透かしなんですが。これみよがしにこちらに向けて鎌首擡げて襲い掛かってくるヘビ!とか目の前にビュンビュン飛んで来るネズミ!!みたいな演出がある訳ではないので。
でも、二時間以上ある上映時間でずっとビヨヨ~ン!ビュビュン!をやり続けるなんてどう考えても現実的ではない訳で、まぁ、木の上から谷底を覗き込む、とかそういう臨場感の一助に留まった、あの3Dさ加減が、映画としては正解なのでしょう。
それよりも、パンフレットのインタビューでJ・キャメロン監督が「映画が白黒からカラーへ移行した時、製作者たちは『このシナリオは白黒とカラーと、どちらで撮影するのが有効か?』なんてことをいちいち考えてカラーを選んだと思うかい?」と語っていて、ああなるほどなぁと深く頷いたのですよ。
つまりね、今後もうキャメロン監督は3D映画しか撮らないし、映画界全体がやがてはそうなっていく、と断言しておる訳ですね。
今はまだ製作現場の予算的なことと、それに劇場側の都合で全ての映画が3Dになるのは無理だけど、それはもう時間が解決するレベルの問題だと。
なぜ3D映画を作るのか?ここに3D映像技術があるからさ!と。
それ以外の理由なぞ要らんのだと。キャメロン監督の映画制作者としてのその見解にいちばん感激しましたですよ、この映画。
さて、そういう未来技術に関するお話の延長というか、更にストーリーじゃない部分の話を続けますが。
この映画は、SFやファンタジーにはよくあることですが、冒頭30分くらい?かけて世界観の説明が行われるんですけれども、その間はメインストーリーは全く動かないものだから、どうしてもディテイルにばかり目がいきます(それは製作者側の意図でもあるでしょう)。
で、その、ディテイルってーのがね、この21世紀の日本に住んで、マンガやアニメやゲームにある程度親しんでいる者にはすごい、怒涛の既視感なんですわ。
「あ、ガンダム」「あ、エヴァンゲリオン」「あら、フシギダネ」「おーモンハンぽい!」といったような…ね。
もちろん、過去のハリウッドSF映画のエッセンスも総動員です。
宇宙船のデザイン、コールドスリープカプセルのデザイン、アバターとリンクする為のベッドのデザイン、研究所のデザイン、戦闘機のデザインetc.
そーいうところに関して、もうオリジナリティを主張しようとしても意味がない、という境地にたどり着いてるんですな、既にこの映画のスタッフたちは。
そういう既に馴染みの(ような気がする)意匠に囲まれた世界で、SF世界では既に聞き慣れた専門用語飛び交う研究所シーンばかり30分も見ているとなんか、詳しいことはよくわかんないけど、この世界に馴染んできたよ!みたいな気分になってくるから不思議です。
厳密にいうとそれは多分、この映画の世界設定に馴染んだのではなくて、この映画が観客側に想定・要求している“SFスキルレベル”みたいなものを理解した、ということなんだと思うのですが。
そもそも、「アバター」というタイトルを聞いた時点で、それが「ゲームやパソコン上で遊んだりチャットしたりする為の自分の分身」というモノだと即座に理解できるかどうか(現実のバーチャル技術にどれだけ親しんでいるか)で、この映画世界に入り込めるかどうかの最初の審査を受けてるような気がします。
要するに、たとえばウチの母親(携帯電話所持暦3年。未だメール使いこなせず)は、この映画の冒頭30分のSF的説明部分は理解できないだろうな、ということです。
しかも、そういう、観客側の現実とある意味リンクしたSF的世界観を受け入れられるかどうか、という分岐点は、図らずも3D映画という映像技術を受け入れられるかどうか、の分岐でもあるのかな、という気がしました。
極端な話、「3Dなんて技術にばっか頼って、中味の薄っぺらい映画!」みたいな批判は必ずあると思うんですよ。「わざわざ3Dで見る必要ないじゃん」という意見も。
でも、繰り返すまでもないことですが、映画ってストーリーだけじゃないしね。
映像音楽含めた総合芸術な訳でね。
その映像が、3Dで見なくても充分見ごたえがある以上、この作品はまず普通に“映画”として成功してることになるし、そして「だったらわざわざ3Dにする必要ない」という批判は、前述したキャメロン監督の先見の前には意味がないのだし。
そうしたら、あとはもう、この映画を気に入るか入らないかは、新しい技術をどんどん受け入れていこうという姿勢が普段からあるかどうか、っていう、いわば生活態度の問題になってくると思うんですね。
だから、実際にもうパソコン上で自分のアバター作っていろいろ楽しんでる人と、仮想現実の世界で仮想のゲームなんかに夢中になる人の気がしれないわー、という人と、そういう意識の違いが、鑑賞後の感想にダイレクトに関係してくる、そんな映画であるような気がしています。
なんだかんだ言っても、今ってもう21世紀なんだなーということをしみじみ実感させられた映画でありました。
映画の中味そのものではなく、その周縁部分について考えていて、そういう実感に辿りついたということなのですが。(クラゲ)
那須'09春-ペニーレイン
ベーカリーカフェ・ペニーレインと一押しブルーベリーパン
那須のグルメ関連情報を探れば必ずといって良いほど出てくる、知る人ぞ知る「ペニーレイン」です。
那須の事も旅ブロ書こうと思って初めてグルメスポットやらの情報収集したので、もう何度も那須には行ってるのに初めてです。
それにしても、このパンは(゚д゚)ウ-(゚Д゚)マー(゚A゚)イ-…ヽ(゚∀゚)ノ…ゾォォォォォ!!!!
別に全然狙って行った訳じゃないのですが、たまたま店に入って1分位したら焼きたてが出てきたので、ここぞとばかりに購入したのですが、こりゃもう美味美味!
このパンがあるってだけでも、これからは那須行くたびに必ず行く店に決定しました。
ブルーベリーがものすごく沢山で結構しっかり味ついてるので焼きたてじゃなくても何もつけないでそのままいただけると思います。
3枚目の画像は持ち帰り用の袋なんですが、持ち手のとこ見て!
ちゃんとピースマークになってるんですよ!こういう細かい所に気を利かせるのって洒落心があって素敵(パンダ)
まがりなりにも那須に別荘立てて10年弱経つクセに、わたくしってば一度もこのお店行ったことなかったのですよ。パンダに言われて初めてまともに存在を知ったという体たらくです。よく看板やチラシは見てたんですがね…インターネットが発達したこのご時世、ちゃんと自ら進んで情報収集しないと、ステキなもの、美味しいもの、人気のもの…良いモノたちをみすみす見逃す愚を冒してしまうのだな、と痛感させられたのでした。
で、こちらのパンはほんとーに、片っ端からおいしかった。この辺りはパン屋さんも多く、まぁ多少の当たり外れはあっても概ねガッカリさせられたという経験はなかったのですが、「ペニーレイン」は、当たり外れで言えば勿論当たり、種類も豊富だし、基本のパンも食事パンも菓子パンも、みんなおいしい!ふわふわ!焼き上がり狙って来たと思しきお客様が大勢いらっしゃいましたが、そういう固定ファンがつくのも納得です。やっぱねぇ、パンは焼きたてに限りますよ。焼きたてのブルーベリーパンは誠にダイエットの敵であります。
あとね、このパン屋さんの向かいには、経営を同じくするペンションが建っているのですが、こちらがまたワンコ同伴大歓迎!な、犬好きにはすごく好感度の高いペンションでして。ペンション手前に据えられたドッグランには、すごくカッコいいドーベルマン?さんがいらして、まさに番人の如くこちらを向いて吠えておいででした。犬見知りの激しいまぐわんはかなりビビっていましたが、それはそれで可愛かったから良し。(クラゲ)
那須'09春-CAFE SHOZO
CAFE SHOZOとケーキ
那須のカフェで1.2を争う人気のCAFE SHOZOです。
高原の観光地ならではの解りやすく眼をひく店構えが多い中で、いかにもお洒落~なカフェらしく解りにくい外見(^_^;)
まぁでも、車で那須に行く場合は那須ICをご利用になる方がほとんどだと思うので、那須ICおりたら那須の中心に向かってずっと那須街道を上り、左手に道の駅が見えたらそのちょっと先の交差点が広谷地交差点ですから、そこ過ぎたら結構すぐです。(CAFE SHOZOのHP のMAP参照)
店の外も中も決して無機質にはなってないシンプルさと、散歩でもしようかと思わせる程度に気持ちをひきたてる明るさがあって、本でも持ってきて暫し憩いの時間を過ごし、散歩がてら歩いて帰ろうかと言いたくなる様な雰囲気です。
テラス側のテーブル席の窓に色ガラスが使われてるところや、ドアや各テーブル&椅子が昭和レトロ辺りのアンティークっぽいところは、今そこら辺の時代のインテリアに魅かれてる身としては大変好ましいです。
が、ここは店内は全面撮影禁止とのこと。
いろいろ事情もあるのかもしれませんが・・・正直その貼り紙でちょっとテンション下がりましたね。うんまぁ、店の方針とかもあるんだろうけどね。
ケーキはお持ち帰りしたものです。真ん中のは名前は忘れたけどレモンのケーキ。見た目に反してものすごっく酸味きいててサッパリしてました。チーズケーキもミルフィーユも東京でも十分通じる位シンプルに美味しいです。
焼き菓子も沢山種類があって、旅行中ちょっとお茶する時のお茶請けが欲しい時や、お土産ーって感じではないお洒落なお土産が欲しい時などはお勧めです。(パンダ)
神仏に誓って正直な感想として、那須でケーキ屋さんにガッカリさせられた経験はありません。少なくともわたくしが行ったことある範囲では、どこもみなそれぞれにおいしくて、満足できて、また行こうと思わせてくれるお店ばかりです。
そういう意味で、この「CAFE SHOZO」もたしかに美味しいし、雰囲気も良いのです。また行きたいです。
特に個人的には、レモンパイおいしかったなぁ
…ただなぁ、那須に数あるカフェの中で、インターネットで検索すると真っ先に出てくるというほどに飛びぬけているか?と問われると、正直答えに困るというか…
いや、おいしいんですよ。何も不満はありません。
でも、こちらよりも全然知名度の低いケーキ屋さんで、でも同じくらい満足させて下さるお店を知っていると、ケーキ屋さんの知名度とか人気って、実力だけでは決まらないものなのかなーなんて、そんな濁ったことを考えてしまったりするのでした。
政治力っていうかー、プロデュース能力というかー、お店をやるに当たっては、そういう能力も必要なんだよなぁ、なんて。勝手にしみじみしちゃうのでした。
なんかこれって、SHOZO CAFEさんについての感想としては完全に横道ですね。失礼しました。いや、東京のケーキ屋さんたちに関して、常々思ってるこのなので、つい。(クラゲ)
那須'09春-牛ドル
たっくさんの見せ牛と、ワラワラと寄ってきた牛に凝視される犬。
な、な、なんやねん!と腰がひける犬。ローズ&マリーの口調が聞こえてきそうな牛の凝視っぷり。
柵がある事に気づき強気になる犬と、犬(とパンダ)が移動すると怒涛の走りで追いかけてくる牛。
追っかけ牛とファンとの交流を温める牛ドル犬。
牛さん達のアイドル=牛ドルです(笑
クラパンは安愚楽牧場で入り口付近や駐車場付近に居る牛を「見せ牛」と呼んでる訳ですが、この時は駐車場横のエリアに大量に牛がいまして、今日は沢山いるな~と呑気に寄ってったら、どうやら犬好きーの集まりだったようでw
どう見ても明らかに犬に興味津津な見せ牛さん達。
いや~あんなに感情むき出しな牛初めてみたw愛犬が喰われてしまうかと思ったくらいのくいつきっぷりでした。
すっげー凝視してくるし、横に広~い柵沿いに犬連れて走ってみたら、テレビの闘牛シーンとかでしか見た事がない位の勢いで走っておいかけてきたΣ(゚Д゚)コワッ!
画像では「イケwan」とか書きましたが、たぶんきっと藁っぽい色してるから「美味しそう~」とか思われてたのではないかと思いますw(パンダ)
なんかホラ、金融機関の絡むクライムサスペンスとか、ヤクザがオラオラと地上げするようなドラマとかで、ジェラルミンのアタッシェケースに一千万円ぶんの諭吉をどーんと並べて相手に見せ付けたりするアレのことを「見せ金」って言うでしょ。実質的な損得より、現ナマの存在感で相手を自分のペースに引き込む為の道具っていう。
ああいうのの、あのノリで「見せ金」ならぬ「見せ牛」とわたくしどもはあの牛たちを呼んでおる訳です。敷地の奥にある牛舎から遠く離れた、入り口の車道付近でわざわざ放牧されている黒毛和牛たちのことをね。殊更に牧場らしさを演出する為に、わざわざそこに持って来られた牛たち、という意味で。
「安愚楽牧場」内のコロッケレストラン「ドレミ村」の向かいに位置する駐車場裏(?)に放牧された黒毛和見せ牛たちが、どうしてあそこまでまぐわん(シェットランドシープドッグ・雄・5歳)に対してあそこまで食いついたのか、いまでもよく判りません(笑)。でも、本当にあの牛たちの食いつきぷりは物凄かったんです。これらの写真を撮影したのは当然わたくしクラゲなのですが、これは撮影しながら「動画で録画したかった!!」と心底思ったものでありました。まぐわんの移動にあわせてダッシュする黒毛和牛諸君の迫力とか躍動感とか、ホントもう、それだけである種のエンターテイメントだったんですよ~(クラゲ)
バーン・アフター・リーディング
アカデミー賞受賞監督コーエン兄弟X豪華5大キャストによるブラックな笑いとウィットにとんだクライムコメディ。ティルダ・スウィントン以外はあてがきだという各役者のハマリっぷりと、ピリっとしたユーモアは秀逸です。
鑑賞日:2009/05/10(日)
劇場:TOHOシネマズ・スカラ座
個人的にはちょっとオマケして★5あげてもいいくらいです。ちょこっとマイナスの部分は、前半がちょっとまだるっこくて眠くなっちゃったから。
劇場で鑑賞中に眠くなったのは二度目ですが、眠くなったくせに総合して面白い!と評価が好転したのは初めてです。前回眠くなった映画では最後までずーっと眠くて・・・っていうか寝たし。
後半はトイレ行きたくても席たてなかったです。今中座したらいろいろ台無し!って。
まずね、全身整形マニアのリンダ役のフランシス・マクドーマンドが良いよね。誰目線で観るかって難しい映画ですが、この人目線で観るとオバカだけど単純でハッピーな気分になれるかもねwパンダは映画見たらハッピーな気分になりたいタイプなので、リンダに肩入れして観る事をお勧めしますw
実際は多分CIA上官役のJK・シモンズ(スパイダーマンの編集長の人だよね)の目線になってるのではないかと思うのですが。そういうブラックユーモアっていう感じで。
ブラッド・ピットとかジョージ・クルーニーとか位メジャーになっちゃうと、どうしても先入観とか多大に入って公平に評価するの難しいんだけど、ブラッド・ピットは新境地を開いたと思います。いや~普通にカッコイイのも良いけど、今回のチャド役大好き(笑)
これからクラゲを呆れさせたい時は、チャドの変な踊りを目の前でやってみたいと思います。
ジョージ・クルーニーのエロスマイルも流石w凄い下ネタやらせても、イヤ~とかなる前にアホやなぁ・・・って呆れながらも笑っちゃうみたいな。むしろ真面目なベッドシーンとかやられた方がイヤ~ってなりそう。
他のキャストも本当に秀逸ですよ。
どのキャストも間が抜けていて突拍子もないのに、それぞれ日常的で共感できるところもあり、でもやっぱりぶっ飛んでる。
それをまとめるストーリーも抜群にウィットにとんでいてスパイシー。
あえて難をつけるとしたら、これは映画好きが観る大人のコメディですから、映画を観つけない人や精神的子供、余りにも幸せで悩みも想像力もない人なんかには、この映画のユーモアは解らないかもしれないってとこくらいかな。
そういう方をバカにしてるわけではなくてですね、パンダ自身が何年か前なら全く解らなかっただろうなぁと思うものだからです。(パンダ)
OPで、宇宙からの衛星写真からぐぐぐっとワシントンへ寄り、そしてEDでは再びワシントンからぐぐぐっと引いて、カメラの視点は宇宙へ戻って行きます。これは、第一義的には“ありがちなスパイ映画の『アナタの生活も全て政府に見られてますよ!!』”な演出を茶化してるんだろうけれど、映画を見終わってから思い返してみると、“神”の視点という意味もあったのかな?と深読みしたくなるような、そんな映画でした。
この、あまりにも虚無的で脱力的な鑑賞後感、後味が悪いっていうのではなく、さりとて楽しかったとか面白かったとか、決してそんな屈託の無い言葉では言い表せない、なんともいえない後味のこの感じ…以前にも確かに味わったことがあるぞ…と記憶を辿ってみましたところ、いちばん近いのはS・ベケットの『ゴドーを待ちながら』なんじゃないかと思い至りました。
尤も、わたくしは『ゴドー待ち』は実際に舞台で鑑賞したことはなくて、テレビの舞台中継を見ての感想なので、あんまし断定的なことは言わん方が身の為だろうとは思うのですが、それにしても、この、なんともいえない自嘲と諦観の雰囲気が、いかにも現代人の寓話という風に感じられたのであります。
所詮現代人は、自ら新しい物語を紡ごうと足掻いたところで、この程度の物語の登場人物(主人公、ですらない!)にしかなれないのだよ、という聡明にして絶望的な自嘲と諦念。勝者も敗者もいない、なのに全ての彼ら=我らが、なぜかぐったり疲れているというこの物語の結末は、つまり、そういうわたくしたちの現状…“現代”そのものを、少しだけ過剰に切り取って見せてくれたのだったのだろうと、感じた次第であります。
ま、そーいう系の小賢しい理屈を抜きにしたら、これは所謂「コーエン兄弟っぽい」映画なんだろうなぁと思った訳ですが。
わたくしはコーエン兄弟の映画って、過去には「オー・ブラザー!」(2000)しか劇場では見たことが無いという程度の薄い映画ファンなので、断定的なことは言えないのですが、なんか、皮肉っぽさとか笑いのセンスとか、登場人物の命というか人生の(他人にとっての)軽さというか。そういう感じがすごく、共感できると同時に「うわぁ…」と思わずヒいてしまう感じ。
“彼”の人生がこのようにあしらわれたのならば、“我”の人生も他の人からそのようにあしらわれる可能性があるということだ、っていう、地味な恐怖心を言外に見せ付けてくれているような。そんな底意地の悪い映画です。底意地悪くて鑑賞後の感想はモヤモヤして、人にはすごく勧めづらい映画です。
でも、わたくしはとても満足しました。そういう…そういう、映画です。人を選ぶ映画であり、とても良く作られた映画であったと思っています。(クラゲ)



