6月末に発売された『ゼロ戦特攻隊から刑事へ』という本を読み終えました。
本書は大舘和夫氏(おおだちかずお氏)、現在90歳になられた方の記録です。




ゼロ戦特攻隊員となり、何度となく出撃するも数奇な運命を辿り
生きて帰ったのち、若くして亡くなった戦友たちへの思いを秘め
実直で勤勉なる警察官となった大舘さんの実録。

特攻隊員であったこと、戦争のことを頑に口にされなかったのを
太田さんと西嶋さんの熱心な口説きにより、この本が出来上がったのだそう。

まだ若き少年時代にお国のために命を捧げるべく決意をし
飛行機乗りとなり、何度となく特攻体験をし
戦友のほとんどが亡くなっていく...
我々には到底計り知れない思いをされてきているわけで
終戦までの前半部は胸に何度となく迫りくるものが大きかったです。

(終戦を迎えるタイミングがなんともすごい運命的!)

お国の為に、と命を捧げて戦ったきていたのに
敗戦。。。葛藤しておられた様子、そして警察官になってからは
刑事として、亡くなった多くの戦友たちの分まで
姿勢正しく強く正しく己を律して生きておられる様子には
頭が下がる思いでした。

その大舘さんは90歳現在も剣道をしておられる。


著者、太田さんの後記にありましたが
本著をかいして、戦争・軍隊・特攻隊の知識や関心の深い人も
そうでない人も、世代も超えて
大舘さんの人生、生き様を通じて人生への示唆を受けること
間違いないです。

あくまでも大舘氏への取材を文字におこし
一人称で書かれているので、読み始めるとグイグイと一気に読破でき
読後にはきっと違う自分の一面をつくることができるのではないだろうか

今年もやってくる夏を前に
激動の時代を生き、今もなお己を律しておられる大先輩の
人生から刺激を受けること、間違いなしです。

とても良い本に巡り会えました。

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