現在、広島県は宿泊税の導入に前のめりです。
観光振興のための予算に特化する法定外目的税(宿泊税)という独自の新しい集金システムを作るということです。(※市町単独でもできます)
県は、その集めた公金を県内の市町に配分することで、観光立県として「県全体の均衡ある発展」を成すとしています。
ところで、先ずこの場合で言う「オーバーツーリズム」とはなんでしょうか?
観光庁によると、「特定の観光地において、訪問客の著しい増加等が、市民生活や自然環境、景観等に対する負の影響を受忍できない程度にもたらしたり、旅行者にとっても満足度を大幅に低下させたりするような観光の状況」と記されています。
では、広島県でオーバーツーリズムは何処か。
世界遺産に登録されている宮島と原爆ドーム、そして平和公園とその周辺、及び主要な駅でしょう。
つまり、広島市と廿日市市。
廿日市市は、昨年対策の一つとして、宮島訪問税(100円)を独自に実施されました。
私は、東京や大阪、福岡などの大都市とは違い、支店経済圏からも外されつつある広島のような地方都市が、観光立県を目指すための「宿泊税」を導入するならば、順序として先ずは集客力の殆どを占める広島市や廿日市市など基礎自治体が検討し、そこに県が協力的に加わることで、県全体の均衡ある観光地づくりが実現できると考えた方が自然だと思います。
具体的な観光資源の整備計画などは基礎自治体(市)が考えるべきことです。
つまり、県の全体を良くしたいという思いも分かりますが、基礎自治体(市)が独自に切磋琢磨する原理は必要なことで、重要なのは宿泊数の多くを占める広島市の意思がどの程度かということです。
私は、この「宿泊税」、先ず基礎自治体(市)が単独で行うのが『現実的』。そして次に他県で見られるように市と県が分け合って二階建てで同時に税を徴収することで市と県の双方の目的を果たすのが『理想的』、であると思います。
しかし、いずれも税を徴収していただく宿泊事業者の意見をよく聞かなければなりません。
最後になりますが、昔から「広島は通過点で観光で寄ってはもらえるんだけど、その日に次の目的地に行ってしまうんだよね」という声をよく聞いていました。
新幹線や大型客船で来られる観光客も増えましたよね。
単に新たな集金システムを作って配分することを考えるより、
日帰り客を一泊二日の旅にしていただく具体的な政策を考え努力するべきではないか。
まだまだ案はあると思います。
広島県観光課に期待します。