前回は、国会と地方議会の違いと役割りをご説明し、その機能が果たせていない理由は、国政政党が地方議会内に与党を形成し、優位性を保とうとするからだというお話しをしました。
 

特に広島県議会は、本来国会では対立するはずの自民、民主、公明が手を携え合うことで圧倒的知事与党が形成され、議会審議が正常に機能しなくなっている状態です。

 
ここで、あえて申し上げます。選挙となると特定の団体組織から推薦を受けている候補者がことさら「無所属」を名乗りますが、これは選挙を戦う上でその方が有利と考えているからです。事実上、そういう方は必ず政党色の強い会派(県議会では政党ではなく会派と言います)に所属され、言動を拘束されます。
 
私は、地方政治における「政治とカネ」の問題の原因は、ここにあると思っています。前回申し上げたとおり、地方政治の停滞は知事与党を形成することにあります。各政党は、党利党略を優先します。故に、政党を基軸に動く国会議員とその下で活動する地方議員は「親亀子亀」の関係にならざるを得ず、下請けですから当然発注受注の関係となります。金銭の授受が発生するのは自然の成り行きと言えるでしょう。「国会議員との良好な関係を築くには受け取るしかなかった」という話は、そこに法の意識を超えた馴れ合いの関係があることの証です。政治資金規正法や公職選挙法を意識しない領域があるなら、今後、政治家同士や議員同士の金銭授受を一切禁止するべきです。さらに言えば、政党と地方議員との間の金銭の授受も禁止することで、地方議会の審議は正常化すると考えます。
 
日本は国、県、市町と二層制(三層制とも言います)を採用していますので、政党が国を豊かにするかたわら、地方の課題は地方で解決するしかないのです。そのために地方議会があり、二元代表制で各選挙が行われるのです。私が、完全な無所属で活動する理由は以上のことにあります。
 
一つ一つの課題に対し、是々非々で審議し、おかしい事はおかしいと言う。そんな当たり前のことができない議会は必要ありません。
 
変えることができるのは、
今しかないのです。