手術の適応を書く前に……
そもそも人中が長い顔って悪い顔でしょうか?
 
「鼻の下が伸びる」という言葉があるように、
長い人中はどこか間が抜けた印象を与えることがあります。
 
しかし一方で、人相学では人中が長いことは吉兆です。
人相学的には、人差し指の第一関節より長い人中を持つ人は、心身が健康で、明るく、強運だそうです。

個人的には人中が長めの顔は、おおらかな雰囲気や平和な印象を与えると思います。
たとえば芸能人では松嶋菜々子さん三浦翔平さんは人中が長めですが、そこが人間的な魅力に繋がっているように感じます。
 
最近のカメラアプリは顔の下半分を細く・短く見せる加工がされています。
それはカメラアプリの画像・動画だから良いのであって、
実際の人間の顔は普遍的なバランスを逸脱するような整形をしてはいけません
(後悔する可能性が高いので)
 
前回に繰り返していいますが、皮膚は一度切ったら元に戻せません。
安易に人中短縮術を受けてはいけません。
 
 
とはいえ、人中が物理的に平均より長い方では、
人中短縮術で顔全体の印象がよくなる場合があることも事実です。


【適応がありそうな方】
 
・純粋に人中が平均より長い方

(バランスによりますが、2㎝あると長いといえます)

 
・男性で人中が長く、口髭の生え始めが下のほうにある方。

 

↑髭の生え始めが下の方にある

 

↑髭の生え始め位置のバランスが良い

 
・加齢に伴って唇が薄く、鼻の下が長くなった方

 

 

ただ、↑この方のような場合、頬の下がりや口元のたるみも関与しています。
人中に限局した治療よりも、お顔全体のたるみ治療や注入系によるボリュームアップが有効な場合も多いです。



【適応がない方】
・物理的に人中が短い~平均的な方
1.5㎝以下の方はまず適応はありません
 
・ガミースマイルの方
ガミースマイルとは、笑った時に歯茎が出ることです。
人中短縮により、悪化する可能性があります。

・他のパーツの整形を考えている方
人中の視覚的な長さが変わる場合があります。
特に鼻や輪郭の整形を検討している方は、その整形を終えてから人中をどうするか考えましょう。
(注入系のいわゆるプチ整形くらいなら大丈夫です)
 
・歯列矯正をしているもしくはされる予定のある方
口元の突出具合は人中に影響があります。歯列矯正完了前に人中をいじってはいけません。


 
人中短縮術は適応がある方には良い手術です。
 
私が手術した男性で、術前は人中が長く口髭の生え始めが下のほうにあった患者様がいらっしゃいました。
術後は、引き締まった男前になり若々しい印象になりました。
(この方は元々、人中以外の輪郭やパーツのバランスが良かったです)
 
しかし、本当に適応のある方というのはそれほど多くないとも思っています。
 
人中を視覚的に短く見せたいのであれば、
前回述べたように注入系で人中を短くする施術もあります。
人中の皮膚を切除する必要があるかどうかは、よく検討しましょう。
 
自分で適応があるのかわからない場合はご相談ください。
 
いろいろ書いていたら長くなってしまいました。
術式やリスクなど手術の細かい説明は次回に……(すみません)