先日、「10年以上前に他院で受けた二重まぶた埋没法の糸を抜糸したい」

という患者様がいらっしゃいました。

 

埋没法の糸はとても細く、体内に残存して問題ないものです。

ほとんどの場合でトラブルを起こしません。

つまようじと(幅2mm)と比較してこの細さです。

 

しかし、時により抜糸を希望される方・抜糸の必要がある方もいらっしゃいます。

(詳しくは次回ブログで書きます)

 


今回の患者様の場合、糸自体がトラブルを起こしているわけではありませんでしたが、

糸がまぶたにあることが精神的な負担になってしまったそうです。

 

埋没法は早期であれば、抜糸して元に戻すことが可能です。

術後すぐ~数か月では、糸を入れた時のごく小さな傷跡が残っているため比較的容易に抜糸できます。

時間が経過すると難易度が上がります。

 

10年以上経過していると、糸を通した際の傷後は治癒しており、肉眼ではまったくわかりません。

また、糸玉が皮下組織に深く埋まってしまう場合もあります。


抜糸を「宝探し」と表現する先生もいるくらいです。

 

今回は、他院での埋没法ということで、こちらにはカルテがありません。

二重のラインも消失していました。

どの幅の二重を作ったのか(どの位置に糸があるのか)が一見してわかりませんでした。

 

前述した通り、長期間経過した埋没法の抜糸は、すべて取りきれない場合があります。


10分で見つかるのか

1時間で見つかるのか

2時間探しても見つけられない可能性もあります。

 

今回は患者様に抜糸できない可能性を説明しましたが、

患者様が「除去できる可能性が低くても受けたい」と希望されたため、抜糸に挑戦させていただきました。

 

 

結果的に、10分ですべての糸を抜糸することができました。

 

まぶたを裏返して拡大鏡で見たところ、組織のわずかな違和感がありました。

そこで、ここに糸がかかっていると推測しました。

まぶたの上から2mmほど切開して探したところ、糸を見つけることができました。

(ちなみに、極端に小さな傷は縫合するメリットがありません。傷は自然と治癒します)

 

もう一方の目では、見つかった片目の左右上下対照の位置で見つけることができました。

 

患者様が「二点止めだった」ということを覚えてらっしゃったのは幸いでした。

今回は「自分ならここで二点留めるかな」という位置から探し始めることができました。

 

このような糸玉を除去しました(写真は再現したもの)

 

幸運にも短時間ですべての糸を見つけることができました。

患者様にも喜んでいただけて、私自身も嬉しかったです。

 

埋没法の抜糸はほとんどご希望がないため、現在ユイメディカルクリニック松本院の㏋のメニューにはありません。

 

今回のようにメニューにないことでも、可能な範囲で対応させていただきます。

 

私でお力になれることがあるかもしれません。

お気軽に相談していただけたら、うれしいです。