こんにちは、クラインフェルター症候群のタクです。長いので下記からKSと略します。

 

■はじめに
この記事は管理人がホルモン注射をしての体験談や感想を記載しています。生々しい点もあるので、見る際はご注意ください。

 

KSの治療法としてお医者様が大好きなホルモン注射

安価だし、手軽だし、人によっては翌日には効果が期待できると3拍子揃ってるわけですが、体験してみて思ったのは圧倒的な副作用(?)の酷さと辛さ。

 

「医者は当事者じゃないから俺たちの気持ちなんてわかんねえんだ」

とひねくれるようになった切っ掛けにもなりました。

 

事前の説明

「あなたはクラインフェルター症候群という染色体異常ですね」と言われ、治療法について聞かされました。
その治療法がホルモン注射。話を聞く限りでは、「なんて素晴らしい治療法なんだ」という感想でした。
 
特に胸が躍ったのは「早い人は明日には筋力ついてるよ」「身長もまだ伸びるかも」といった言葉。テストステロンと身長になんの関係があるのかは知らないけど、高くなるに越したことはないと思いました(当時170センチ)
 
何より筋力つくかもという希望、「男のくせにそんなのも持てないの」という圧倒的な負の塊のような言葉を散々言われてきた自分に、「もしかしたら普通の男みたいになれるかもしれない…!」という希望を抱かせるには充分すぎる言葉だったのです。
 
注射でテストステロンを入れることができる量も調整できたのですが、私の場合、まずは2週間分にしてもらいました。
 

注射から帰宅まで

治療法を聞かされて、「じゃあ今日早速やっていこう」と言わてからは
  1. 待合室に移動される
  2. 注射する部屋に呼ばれる
  3. チューっ
  4. ベッドで一時休憩
  5. 帰宅
こんな流れでした。
細かく振り返ります。
 
※10年ほど前の話なので、多少の記憶違いや現在の治療との差異はご容赦ください。

 

1.待合室に移動される

準備をするから待てと移動され、多分15分から20分くらい待たされました。
他にも泌尿器科の患者が大勢いたのも影響したのかもしれませんね。
 

2.注射する部屋

ベッドが何台かあって、そこで寝てる人たちが看護婦さんに注射をしてもらってました。
 

3.チューっ

中年くらいの女性で、所要時間は1分にも満たなかったと思います。
打たれて直ぐに身体が内側から熱くなり、熱をだした時のようになりました。苦しさは無かった気がします。
 

4.ベッドで休憩

突然身体に入ってきた異物に身体が拒否反応を起こしたのか、自分は直ぐに立てず、心臓がバクバクなってました。
どのくらい休憩したのか覚えてませんが、徐々に楽になっていきました。
 

5.帰宅

はじめてのホルモン注射は自分にとって特別な体験だったのでその辺りは覚えてるのですが、帰宅などの記憶がまったくありません。
注射の副作用とかではなく単純に月日の経過によるものだと思われます。
注射の料金は640円前後だったような記憶があります。病院によっても違うかも?
 

翌日

目を覚ました時、イソイソと鏡の前に行って体格変わってるかなとか確認しましたが特に変化なし。
「調子はどう?」と親に聞かれましたが、その時点で思いつく限りでは特に変化はありませんでした。
 

1週間後

友達に誘われたので会いに行くと、「お前顔汚くなったな」と言われ、初めて変化に気づきます。
それはニキビが多くなったことです。
 
自分で言うのも何ですがホルモン治療前はそういったものがまったく無くて、綺麗な肌だったので、「ニキビなんて増えても全然うれしくないなあ…」とがっかりした記憶があります。
 

それ以降

ホルモン注射をする前の自分のテストステロン値は、平均の30分の1以下(0.の世界)で、ほとんど男性ホルモンが無い状態で25年間を過ごしていたことになります。
 
しかし、ホルモン注射をしたことでこれを強制的に通常の男性と同じくらいにテストステロンを増やしたわけですが、テストステロン=男らしさ(苦笑)なわけで、
  • 性欲
  • 考え方
  • 喋り方
  • 顔つき
全てに変化が出ました。それまでよく「タクさんは女の子みたいに優しい」と言われてましたが、その優しいは男性ホルモンが低かったからなんですよね…俺がちゃんとした男じゃなかったから。。。
 

性欲

どっかの記事で書きましたが、ホルモン治療をする前や今の自分は性行為やマスターベーションについて嫌悪感をもってます。
それまで発散せずとも何の問題もなく生きてこれたからという点も強いように感じますが、このホルモン治療で性欲を突然数十倍に引き上げられたことで、自分の変化に戸惑い苦しむことになります。
 
「そんなの興味ないよ」と言ってた自分が、むらむらを我慢できない。自分ではないですが、私と同じくらいテストステロン値が低くてホルモン注射をした男性は猿みたいに1日中性行為をしてても発散できなかったと言ってました。
 
そして最終的には強姦してでもこの気持ちを抑えたいと考えるようになり、ホルモン注射を断ちました。
 
自分が欲しかった筋力も身長も、何も得られないまま6か月ほど治療を継続しての結果でした。
 
ずっとあとで知ったのですが、元々本人が持ってるテストステロン値が低ければ低いほど症状に苦しむということです。
逆に元々そこまで低くなければ、ホルモン治療をしても変化がそこまで出ないので反動も低いということ。
 
あれから約10年が経った今でも「この先どんなに身体がおかしくなっても、テストステロン注射だけは二度としない」という考えは全く変わってません、もし、やらないと死ぬぞと言われたら喜んで死にますね。
 
私はそれくらい苦しかった。前にも後にもあれほど苦しむ6か月は二度と無いでしょうね…。
 

治療について

かなり長くなりましたが、今は自分なりに解決策を見出すことができてます。
大事なのは治療法はホルモン注射だけじゃないということ。
 
いきなり1以下を30にしようとするからおかしくなったのです。
それならゆっくり少しずつ身体に馴染ませてあげたら良い。
 
もしこの記事を読んでる、まだ治療未体験の仲間がいれば是非参考にしてほしいです。
テストステロン値がアホ低いなら、ホルモン注射だけはやめとけ、人生めちゃくちゃになるぞ。って思います。